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骨抜きにされた日本人
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政治・社会
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十、朝日・読売の「民主」革命

『骨抜きにされた日本人』
[著]岡本幸治 [発行]PHP研究所


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 GHQと検閲体制

 先に岩波の月刊誌『世界』の掲載論文をめぐって占領期の言論の自由に触れたが、ここで当時一般の国民に最も影響力の大きかった新聞について振り返ってみることとしよう。その前に、占領期に日本人に対する検閲を担当したGHQの部局について解説しておこう。

 まず、日本人が占領政策を順守しているか否かに関する情報の収集、分析、公安機関との連絡を担当したCIS(民間諜報局)がある。通信、出版、芸能、放送などの検閲、電話の盗聴、流行歌の歌詞から映画の台本に至るまで目を光らせることにより、日本人の思想動向を調査した局である。GHQの設置とともに設けられ、発足当初にはその組織の一つにCCD(民間検閲支隊)があった。二十一年四月には組織がえが行われCCDは対敵諜報部に移り、さらにG2(参謀第二部)内に新設された民間諜報課に吸収されている。その後も何度か編制替えが行われているが、CCDが中心となって日本人の思想調査や世論の動向調査に辣腕を振ったことを記憶に止めておいていただきたい。前章に紹介した「GHQ検閲官」甲斐氏が属したのも、このCCDである。

 もうひとつ検閲で重要な役割を果したのは、CIE(民間情報教育局)である。二十年九月二十二日、他の部局に先んじてつくられ、マスコミ統制のほか、教科書検定、社会科の導入などの教育改革を行なった。以下に取り上げるマスコミについて直接担当したのは、このCIEである。CCDは諜報関係の部局におかれたことでもわかるように、表面には顔を出さない裏の組織であり、GHQの電話帳にも番号が記されていない隠密機関であったのに対し、後者のCIEは絶えず日本側と接触して統制、管理、誘導を行う表の機関であった。

 それゆえ、以下に述べるとおり、厳しい検閲の対象となった日本の新聞は、CIEに対して陳情をしたり、工作をしたり、内部情報をたれこんだり、「敵」の告げ口をしたりして、おのれの立場を有利に取り運ぶことに腐心したのである。その代表的な事例として、全国紙の代表である、朝日、読売を取り上げてみよう。


 朝日新聞の発行停止

 通信社を除けば、日本の新聞のなかで最初にCIEの検閲にあって発禁処分に付せられたのは朝日であった。昭和二十年九月十九日、二十日の二日にわたって発行できなくなったのである。理由は、GHQが日本政府を経由して出していた「言論および新聞の自由に関する覚書」という指令(SCAPIN三四)に違反したためであった。処分の対象となった主要記事は二つあった。

 第一は九月十五日付の鳩山一郎の「新党結成の構想」という寄稿論文である。そのなかで鳩山は「『正義は力なり』を標榜する米国である以上、原子爆弾の使用や無辜(むこ)の国民殺傷が病院船攻撃や毒ガス使用以上の国際法違反、戦争犯罪であることを否むことは出来ぬであろう」と、アメリカの戦争犯罪について言及したのである。
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