大乗経典・仏像の誕生
八十年の生涯を北インドの小村クシナガラで終えた釈尊の死を入滅とよぶ。これは一切の欲望の炎が吹き消された状態をいい、サンスクリット語のニルバーナは「
涅槃」あるいは「
泥
」と音写されてきた。
しかし『スッタニパータ』に、ニルバーナを学ぼうとする人々にたいして「自己の安らぎを学べ」とか「妄執にとらわれてはならない」という発言が釈尊の言葉としてしばしば語られているように、ニルバーナは「すべての束縛から解き放たれ、自由な心境になること(解脱)」で、人はニルバーナを得るために生きるべきことが示唆されている。