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(2021/11/26 追記)

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パティシエ世界一 東京自由が丘「モンサンクレール」の厨房から
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ルポ・エッセイ
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IX フランスの修業時代

『パティシエ世界一 東京自由が丘「モンサンクレール」の厨房から』
[著]辻口博啓 [著] 浅妻千映子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:14分
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歴史ある店での修業



 ちょっとご無沙汰していました。八日間ほどフランスに行っていたもんで。今回、四年半ぶりのフランスだったんですよ。モンサンクレールをオープンしてから、はじめてです。これまで休みなしのノンストップでやってきたんですが、気分転換という意味も含め、今回思い切って九日間の休みをとりました。


 パリはもちろん、セットの町も、モンサンクレールの丘にも行ってきましたよ。興味ありますか。じゃあ、今日はフランスについての話をしましょうか。


 とにかく自分の原点である、モンサンクレールの丘に立ちたかったというのが、今回の渡仏の第一の目的です。


 第二の目的は、僕は自由が丘日仏協会の常務理事を務めているのですが、その関連の仕事を行うためです。具体的には、エクサンプロバンスに、フィリップ・スゴン氏というMOFの称号を持つパティシエがいるのですが、彼とコラボレーションで、文化交流のさかんなこの二つの街──自由が丘とエクサンプロバンス──共通のお菓子を作る計画があり、その打ち合わせをしてきました。


 もちろん三番目の目的は、フランス、それもパリのお菓子の流れを視察することです。


 まず最初に降り立ったのは、セットの町。ラングドック地方です。ここから旅はスタートです。


 セットの町は、自分がいたころから比べて、ちょっと寂しくなっていたかな。少しひっそりした感じがしました。修業先の「パティスリーベルタン」にも行きましたが、残念ながらオーナーのベルタン氏が不在で。並んでいるお菓子は当時と変わっていなかったけれど、あのころは「これがフランスのお菓子かあ」と新鮮に感じていたものが、今改めて見ると「暖かみのあるフランス地方菓子」だったのだなと思いましたね。


 ベルタンは歴史のある店です。でも、厨房が相変わらずきれいだったのには感動しました。厨房をきれいに使っているというのは、オーナーのお菓子に対する心が感じられて、すごく大事なことだと思います。


 僕がフランスで修業したのはこの店だけで、それも三か月ほどです。二〇代の後半、「クープ・ド・モンド」で個人優勝した後のことでした。だから、「ツジグチ」という名は店のスタッフもみんな知っており、そういう意味では働きやすかった。セットは小さい町で、日本人とは無縁の町だったから、逆に大事にされた気もします。


 フランス語はね、べらべらというわけにはいかなかったけれど、それで困ることはなかった。というのも、もともとお菓子作りで使う用語はフランス語でしょう?

「イチゴとって」だったら「フレーズ」で分かるし、「フランボワーズ」「パッション」なんかも分かる。

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