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パティシエ世界一 東京自由が丘「モンサンクレール」の厨房から
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ルポ・エッセイ
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XI 世界一のパティシエになる

『パティシエ世界一 東京自由が丘「モンサンクレール」の厨房から』
[著]辻口博啓 [著] 浅妻千映子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:16分
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コンクールは人生の縮図



 今日は僕のほうから一つあなたに質問があります。今までモンサンクレールのケーキをいくつも召し上がってくださいましたが、その中であなたが一番好きなのはどれですか。


 一つ選ぶのは難しい? そこをあえて選ぶと何になるのかなあ。それが知りたいです。

「セラヴィ」ですか! なるほど。あれは自信作です、なんといってもフランス大使館主催の「フランス食材を使ったプロのためのフランス菓子コンクール」(以下、「ソペクサ」)のために作り、優勝を勝ちとったケーキですから。



 このケーキ、真っ白な六角形の形をしています。その柔らかいホワイトチョコレートのムースにフォークを入れると、中からピスターシュのスポンジとフランボワーズが出てくる。まずセンターの部分を先に作っておいて凍らせておき、ホワイトチョコレートのムースを逆さ仕込みで型に流し、そこに入れて作るんです。


 あの隠された意外性ある味がたまらないですか。甘さと酸っぱさ、コクと軽さ、満足感と(はかな)さ──相反するものまですべて満たしたケーキ? それはありがとうございます。


 セラヴィは「人生」という意味です。僕ね、「コンクールは人生の縮図」だと思っているんです。「ソペクサ」だけでなく、コンクールにはたくさん出場して、たくさん優勝もしてきました。「コンクール男」なんて言われていたこともあるんですよ。


 そうですね、モンサンクレールを語る上で、コンクールは不可欠かもしれない。では今日はコンクールについてお話ししましょうか。


トイレの床で飴細工づくり



 最初に優勝したのは「スプラウト」というコンクール。これは最初のほうでお話ししましたね。そう、例の「シュガークラフトの天使」のときです。


 海外のコンクールに最初に出たのは二六歳のとき。「コンクール・シャルルプルースト」という、フランス全土で競い合うコンクールです。毎回テーマが決まっていて、そのテーマにあったデギュスタシオンとピエスモンテ(チョコレートや飴細工を用いた装飾菓子)で競います。デギュスタシオンは「試食」。つまり味の審査ですね。


 日本でコンクールに出場しはじめたころは、おもに技術を競い合うものだと思っていました。でも、この「シャルルプルースト」の二年ほど前に出た、「マンダリン・ナポレオン」というコンクールで、味を競うということをはじめて体験していました。体験したといっても、このときは書類審査で落ちてしまいましたが。書類審査の内容は、配合を書いた紙と、出来上がりを撮った写真の提出。ここでだめだと次に進めない。書類審査で落ちたのははじめてで、舞台に上がらずして悔しい思いをしました。


 話を「シャルルプルースト」に戻すと、こちらのコンクールは書類選考がないんです。フランス全土で競うといっても、フランスのサンミッシェル協会というところに応募用紙を出せば日本からの参加もできます。

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