1 そもそも「ファイリング」とは?
ファイリングは、オフィスの諸問題を解決する糸口を与えてくれます。なぜファイリングが必要なのか。なぜファイリングが役に立つのか。この章ではまずファイリングの効果と役割について押さえましょう。
◆「いつでも・誰でも・必要なときに」が基本
本書で使用する「ファイリング」とは、「ファイリング・システム(filing system)」のことを指しています。日本語に訳せば「文書整理制度」となります。
この言葉自体は、「組織体の維持発展のために必要な文書を、その組織体のものとして、必要に応じて即座に利用しうるように組織的に整理保管し、ついには廃棄するに至る一連の制度」(三沢仁『五訂ファイリングシステム』日本経営協会総合研究所)と定義されています。
文書の発生から廃棄までのライフサイクルにあてはめると、次ページのライフサイクル図③~⑥の段階に相当します。
ただし最近では、文書の発生段階から捉えることもあります。いずれの定義でも「いつでも、誰でも、必要なときに、必要な文書を迅速に取り出せるような仕組みを組織的につくること」を基本としています。