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第1章 老年期のうつ病は体の病気とリンクする

『人生の先が見えたとき読む本』
[著]町沢静夫 [発行]PHP研究所


読了目安時間:17分
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 年をとるとうつ病が多くなる理由

 本書では、序章で述べたように、六十歳から六十五歳をあえて「初老期」としているので、「初老期うつ病」といえば、その年代に生じるうつ病ということになります。いわば、壮年期から老年期への過渡期、あるいは、老年期の初期に生じるうつ病と考えていただいていいと思います。

 うつ病は年齢とは無関係のように思われますが、初老期以降(老年期)におけるうつ病は多いものです。一般には年齢が高くなればなるほどうつ病が多くなる傾向があります。

 さらにうつ病とまでいえないまでも、軽症うつ病、あるいはうつ気分を伴う「適応障害」(ストレスなどによって、一般的な社会生活ができなくなる、ストレス障害のひとつ)といったレベルとなると、さらに多くなります。アメリカの病院での老人の調査によると、入院患者の約三〇%にうつ気分の適応障害が認められると報告されています。

 初老期にうつ病になるケースとして多いのは、定年退職によって仕事がなくなったというアイデンティティの喪失によるものです。

 また、この年代では、子どもが自立して夫婦二人だけの生活になることが多いものです。女性の場合は、息子が結婚して自分のもとを離れてしまうことによって、うつ病になることが多いのです。さらに夫婦関係がうまくいかなくなることによって、どちらかがうつ病になることもあります。

 そして年齢が高くなるほどうつ病が増えるのは、年をとればとるほどいろいろな体の病気が多くなるからです。六十代はじめはまだ元気だとしても、六十代後半から七十代になれば、さまざまな病気を抱えることになります。病気になる前からうつ病になるのか、あるいは病気になってうつ病になるのか、どちらが先かはわかりませんが、体の病気とうつ病が重なるケースが多いのです。

 うつ病も成人期のような典型的うつ病というよりも、気持ちのつらさが前面に出てこない、穏やかで明るい表情をしていながら、実はうつ病であるという「微笑うつ病」(smiling depression 軽症うつ病の一種。気分がすぐれないにもかかわらず、それを周囲に悟られるのが嫌で無理をして笑顔をつくる)というものもあります。

 さらに、認知症の初期に見られるうつ病、あるいは脳血管障害の後に見られるうつ病、あるいはパーキンソン病に伴ううつ病といったものも一般的です。

 高齢になればなるほど、友人などの死に接することも多くなります。また、配偶者に先立たれることもあるでしょう。そうした身近な人の死と直面したときにはうつ病になりやすいものです。また、経済的な不安や生活の不安から起こるうつもあります。

 孤独や孤立からうつになるのは、男性に多いものです。一般に日本の男性は女性よりも孤独に弱いようです。しかも、日本は母系社会ですから、母親中心の家族が多く、その中にあって、老いれば老いるほど家族の中で父親が孤立していくことが多いのです。このような家庭の状況も、孤独による男性のうつ病を多くしている要因と考えられます。

 そして、男性の場合には、女性よりも病院に来ることが少ないので、うつ病であることを明確にしないままに自殺に走るケースも多いのです。
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