五十歳くらいのころであったかと思うが、頭の中がぼんやりとした感じで、頭が重苦しい気持ちの日々が続いたことがある。年齢的な点からも、血管系統の病気の前触れではないかと心配になった。
幸いにして、有名な大学付属病院で、脳外科関係の専門医をしている知人がいた。早速、精密検査をしてもらうこととなった。
血液検査に始まり、次々とさまざまな検査が行われた。最新の医療機器も駆使して、あらゆる角度からの分析がなされた。
いわば、身体を次々と細かく細切れのように切断していって、ためつすがめつ詳細に調べる方式である。頭の中に何かを隠していたとしても、必ず暴き出してやろうとする意気込みが、ひしひしと感じられるような徹底した分析的手法だ。