人間はどこまでいっても人間関係から逃れることはできない。すなわち他人から逃げることはできない。吉本隆明がこのようにいっている。
何だかひとりぼっちでいることが軽視される風潮があるんじゃないか。友達がたくさんいないと駄目なような雰囲気があるんじゃないか。(中略)
何が強いって、最後はひとりが一番強いんですよ。僕はいつもひとりで考え、ひとりでものを書いてきました。
(「ひきこもれ!」『週刊文春』二〇〇一年三月二十九日号)
この「最後はひとりが一番強い」という言葉は、人生におけるもっとも強い覚悟であると信じたいが、しかしこれを現在のふつうの若者に薦めても効き目はないだろう。