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感じる力 瞑想で人は変われる
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生き方・教養
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第五章 狩猟採集民

『感じる力 瞑想で人は変われる』
[著]吉田脩二 [発行]PHP研究所


読了目安時間:18分
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一、農耕民と狩猟採集民
 かねてから私は、人間の精神は人類の長い歴史の中から考えるべきだとのべてきました。

 自著『ヒトとサルのあいだ』(文藝春秋)はその発想から生まれたものですが、その一部を引用します。
“人類は猿人・原人という長い期間を通じて、採集ないしは狩猟採集という生活手段で生きてきました。そして七万五千年ほど前に「言語本能」を手に入れて、原人から現世人となりました(以後、現世人を人間とします)。その人間もまた長く狩猟採集民として生きてきました。そしてやがて農耕民へと移るのです。

  農業とは農耕と牧畜を指しますが、牧畜は本格的には二千年ほど前に始まったとされているので、ここでは農耕を中心に考えることにします。

  農耕のはじまりは一万年くらい前のメソポタミア周辺からだといわれています。

  ところで四大文明や新大陸の中南米と南米を加えた六大文明は、いずれも農耕によって起きたのです。それ以前に長く続いた狩猟採集民時代にはピラミッドなどの文明的巨大遺跡はどこにも存在しないのです。

  とすれば六万年以上も穏やかに暮らしてきた狩猟採集民は、農耕民となることで突如として世界各地に文明を持ったのです。農耕化は彼らにとって衝撃的な出来事だったに違いありません”


 このように農耕の発祥についてはある程度分かっていても、どのようにして周辺に広がったのか詳しいことは不明です。

 ただ一ついえることは、農耕化は農耕の可能な地域では猛烈な勢いで広まったらしいのです。

 そしてそれは生活様式のみならず、「精神」に大変革をもたらしました。

 その意味でも、どのようにして長い狩猟採集生活からなだれを打つように農耕化していったかは大変重要な問題です。

 では人間がまだ狩猟採集民だった時代、彼らはどのような生活をしていたのでしょうか。


 それを知る手がかりは、少ないながらもあります。

 極寒地のイヌイットやオーストラリアのアボリジニ、アフリカの奥地の原住民、ネイティブ・アメリカンなどは、近年まで狩猟採集民として生活していたからです。

 そして日本ではアイヌの人びとも明治維新まで自然と共生して生きていました。

 幸いなことに最近になって、こうした人たちについての地道で実証的な研究が大いになされてきました。

 それによれば地域や環境の違いがあるにもかかわらず、彼ら狩猟採集民は大変よく似た生活様式を持っていることが報告されています。

 しかも特筆すべきは、彼らの自然との関係やその精神性が酷似していることです。

 こういったことから人間は数万年にわたって彼らのような生き方をしていたと考えて間違いないと思われます。

二、日本の場合
 そこでまず狩猟採集民にとって自然とはどういうものであったかを、日本の場合を例にとって考えましょう。

 日本は農耕化に関して大変珍しい地域といえます。

 農耕化を弥生時代からとすれば、日本では何と二千五百年ほど前までは縄文人として狩猟採集を営んでいたのです。

 それはシャカ・孔子・ソクラテスが活躍していた時代なのです。長い人類の歴史から見れば、ほんのこの間まで私たち日本人は狩猟採集民でした。

 日本は世界でも(まれ)な農耕化の遅れた地域だったのです。
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