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国際法で読み解く戦後史の真実 文明の近代、野蛮な現代
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歴史
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第1章 「文明の近代」はなぜ野蛮化したのか

『国際法で読み解く戦後史の真実 文明の近代、野蛮な現代』
[著]倉山満 [発行]PHP研究所


読了目安時間:23分
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「現代のほうが文明的」は単なる勘違い


 多くの人は、第一次世界大戦の頃より、あるいは第二次世界大戦の頃より、現代の人間のほうが平和的でお上品で進歩していると思っているかもしれません。まして、その前のナポレオン戦争の頃と比べたら、比較にならないほど現代は文明的な世界だと考えているかもしれません。


 もちろん、そういう部分もあります。技術もたしかに進みました。


 しかし、はっきりいいます。「現代のほうが文明的」という考えは単なる勘違いです。現代社会は昔よりも、はるかに「野蛮」です。


 こう書いてきても、「何をいっているのか、わからないのですが」とおっしゃる方がほとんどでしょう。


 なにしろ、戦後一貫して、いかに戦前の日本が野蛮で悪かったかということばかり吹き込まれて、戦後日本は平和憲法を(いただ)き、民主主義の平和国家として大いに進歩・発展したと教えられてきたのですから、それも致し方ありません。


 ところが、じつは戦前の日本は、世界の文明の維持発展のために重要な役割を担う存在でした。そして、大日本帝国が敗れて、世界は野蛮になったのです。ただし、戦前の日本がいかなる存在だったかについての詳細な検証は本書の主題ではありません。その点に関しては、小著『国際法で読み解く世界史の真実』(PHP研究所)をひもといていただければと思います。本書は同著の姉妹作になります。


 本書は、大日本帝国が敗れた後、戦後の世界がどのように動いていったのかという「現代史」が主題です。お姉さんは近代史までの世界史を国際法で読み解く本でしたが、妹の本書はそれに続くものになります。

「お姉さん」のほうでは、国際法で読み解く国別の「傾向と対策」をご紹介した後、国際法用語集を解説し、さらに国際法の成立から崩壊までをローマ帝国から第二次世界大戦の始まりまでというロングスパンで検討してきました。「妹」の本書では、それを前提に、いよいよ国際法で戦後史を読み解いていきます。


 もちろん、あらかじめ『国際法で読み解く世界史の真実』をお読みいただいていたほうが、本書の趣旨はお()み取りいただきやすいと思います。しかし、本書から読みはじめても大丈夫なように、まず本章では「国際法」について見ていくことにしましょう。前著を手に取ってくださった方は、おさらいをするようなつもりで、お読みください。


国際法とは積み重ねられた慣習の集大成


 国際法とは何か。


 六法全書を探しても「国際法」という、そのものズバリの名前の「法律」はありません。「法律」とは、その法律に従わせることができる政府が国民に強制するルールのことをいいます。このルールは私人間、法人(団体)間、私人と法人、政府と私人または法人との間で強制的に働くものなので、「強制法」といいます。刑法や民法がその代表的な例です。しかし、国際法は、国内法のような強制法ではありません。


 では、具体的には何を指して国際法といっているのでしょうか。



 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に(じゆん)(しゆ)することを必要とする。(日本国憲法第九八条二項)



 本書でいう国際法とは、日本国憲法第九八条二項がいう「確立された国際法規」、すなわち「慣習国際法」のことです。


 慣習とは、歳月をかけて培うものです。歴史としての蓄積によって破れない法となったもののことを指します。明文化されているかどうかというものさしでいえば、「不文法」という言い方ができます。だから六法全書を探しても見つかりません。条約は国際法の中の明文化されたごく一部のものです。


 国際法は国と国どうしの合意によって成立する「合意法」です。強制法の反対が合意法です。国家間の合意が破られたときに、それを守るように強制する力を持った、共通の世界政府のような存在はありません。ですから、「自力救済」が可能であることを前提とし、自力救済ができない国は国として認められません。


 国が自力救済するとはどういうことか。自分の国が存続するためのあらゆる努力をしてよいということです。


 最もわかりやすいものとして、自衛のための軍隊を持つことが挙げられます。


 世界中、どんな国であっても軍隊を持つことは認められています。

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