読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
150
kiji
0
0
1172438
0
もっと気楽に生きてみたら!
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第二章 ストレスさまざま

『もっと気楽に生きてみたら!』
[著]頼藤和寛 [発行]PHP研究所


読了目安時間:21分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


 ユーストレスとはなにか

 われわれは時々「もうまったく悩みも苦労もない安楽な境地になりたいものだ」などと思います。特に心労が重なってバテている際には、こうした(かな)わぬ夢を抱くものです。

 でも叶わないのが幸い。

 ストレスというのは、しばしば誤解されるほど悪いことばかりではありません。それは細菌のようなもので、まったくシャットアウトしてしまうと、それこそ無菌動物になって生活力も寿命も一人前にはならないものなのです。それでは良い細菌(たとえば乳酸菌や酵母)だけあればよいかというと、これでは悪い細菌やカビに対する免疫もつきません。

 ストレスは、また酸素のようなものでもあります。ふつう酸素は良い気体の代表のように思われていますが、もともと非常に毒性の強いものなのです(鋼鉄をも腐食させてしまいます)。高等生物はそれをうまく利用できるように進化したので、いまや生存に必須な物質となりましたが、それでも濃度が高すぎると新生児の網膜を破壊したり下等な微生物を殺菌してしまいます。

 さらにストレスは薬剤のようなものです。強い効果のある薬剤はたいてい大量では毒物なのです。

 このように、悪い存在とされているものでも適量もちいると有益になります。また良いものとされていても一定量を超えると非常に有害なものに変化してしまうことが多い。

 ストレスも、例外ではありません。

 内容によって「良いストレス」と「悪いストレス」の別があるというのではないのですが、それぞれの生体に適度と思われる強度・持続をもったストレスのことを「良いストレス/ユーストレス eustress」と呼びます。

 たとえば、ある人にとってはスリルに満ちた冒険の日々がユーストレスで、別の人にとっては平々凡々だが時々転勤や家族のもめごとのある日々がユーストレスなのです。中には個室で絶対安静しているのがユーストレスといった取り扱い注意の人物もいるでしょう。つまり、その人が心身快調で意欲が保たれているような条件が、その人にとってのユーストレスということになります。

 KSMタイプの人物にとってのユーストレスはかなり平穏な毎日なのでしょうが、それでもまったくストレスがないというのでは無菌動物や楽隠居と同じで、心身ともに衰えていきやすいものです。なぜなら精神も臓器もまったく負荷をかけないでいると廃用萎縮(いしゆく)、つまり「使わないと()びつく」という現象がみられるからです。脳も例外ではありません。

 特に人生後半になると、こうした廃用萎縮は加速されます。ただでさえ自然の勢いとして老化や凋落(ちようらく)への傾斜が見られるのですから、それに油断や怠慢が重なるといよいよ機能低下が進むでしょう。しかし逆に精進努力を持続すると(無駄だけがどんどん省かれていくので)達人・枯淡の境地を維持していきやすいともいえます。

 もちろんストレスの種類によっては、若い頃より抵抗力が落ちていることもあるでしょう。たとえば貧困というストレスは一般に若い人ほど平気で、年配者ほど骨身にこたえるものです。そのかわり性的不満や禁欲などのストレスには、若い人ほどの苦痛を伴いません。よく老僧が若い弟子に「煩悩を絶て」などと戒めますが、なんの、単に自分は枯れてスタミナが衰えているからそんなことが容易になっているのをよいことに、他人に偉そうに言えるだけなのです。

 このように考えてくると、ユーストレスといっても人さまざまな上に立場や年齢によっても異なることがわかるでしょう。


 ストレスと個人差

 ストレスとは、もともと外的条件が生体に作用して内部に機能的な(ひず)みが生ずること全般をいいます。正確にいうと、原因となった害作用を「ストレッサー」、それによって心身に生じた変調を「ストレス」と呼びます。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:8662文字/本文:10226文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次