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第一章 志を立てることからすべてが始まる

『「仕事」論』
[編著]岬龍一郎 [発行]PHP研究所


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「志」とは何か
 序章で紹介した筆者の成功の方程式の最初にある「志」であるが、「志」といえば、かのクラーク博士である。
「ボーイズ・ビー・アンビシャス(少年よ、大志を抱け)」という言葉を、青年期に一度は聞いたことがあるはずだ。

 この名言は「大志を抱いて立身出世しろ」との意味に使われ、かつての青少年たちを鼓舞したものであるが、じつは少し曲解されている。

 というのも、この言葉の前には「それは金銭に対してではなく、また世間の人が名声と呼ぶあのむなしいものに対してではない。人間が、人間として当然身につけるべきものに対して」とあり、そのあとに「少年よ、大志を抱け」と続くのである(『成語大辞苑』〈主婦と生活社〉に所収)。

 つまりクラーク博士は、なにも立身出世をしろとか、名声を上げろとか、金持ちになれとか、そのような世俗の功名を求めたのではなかった。むしろそれとは反対に、「人間として当然身につけなければならないもの」、すなわちキリスト教でいうところの、人間が人間として尊厳を持って生きるための「道徳律」を身につけ、自分自身の道を正しく生きろと説いたのである。その意味での「大志」だったのだ。

 マサチューセッツ州立農科大学の学長だったクラーク博士が、札幌農学校(北大の前身)に招かれたのは明治九年(一八七六)のこと。滞在期間はわずか八カ月であったが、この短い期間に彼は計り知れないほどの足跡を残した。プロテスタントの敬虔なクリスチャンだった彼は、キリスト教による人格教育を指導し、近代日本に「クラーク人脈」ともいえる傑出した人材を送り出したのだ。

 クラーク博士に影響を受けた生徒には、北大総長となる佐藤昌介、音韻学者の大島正健、世界的名著『武士道』の著者・新渡戸稲造、日本キリスト教の始祖・内村鑑三、植物学者の宮部金吾らがいる。

 これらの人脈を見ていると、教育の真の成果は、歳月の長短などではなく、教える側の「愛と情熱」の賜物であることを如実に教えてくれる。

まずは「志」を持つことから始めたい
 人間はいつからでも大志を抱くことができる。その時期に早いも遅いもない。クラーク博士のような素晴らしい師に、青年期で出会うことができなかった人も多いだろう。だからといってあきらめる必要もない。老人でも、「青春」の心を持することができると説いたのはサミュエル・ウルマンだが、「志」も年齢には関係ない。もちろん少年期から抱いたほうがいいには違いないが。

 さてそこで、人間が成功するうえでもっとも大切にすべき「大志」について、もう少し身近な最近の日本人の例で考えたい。
「イチロー」である。

 メジャーリーグでの大活躍で、いまや日本中で知らない人はいないであろうイチローは、少年期から「一流のプロ野球選手になること」を夢にしていた。
『小さな人生論』(藤尾秀昭著、致知出版社)から拾った彼の作文を読んでみると、「そのためには中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるようになるためには練習が必要です。僕は三歳の時から練習を始めています。三歳から七歳まで半年くらいやっていましたが、三年生の時から今までは三百六十五日中三百六十日は激しい練習をやっています。だから、一週間中で友達と遊べる時間は五、六時間です。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球選手になれると思います」と書いてある。

 このイチローの、ファンを魅了するいまの華麗なプレーの数々が、このような地道な修練に基づくものであることは、誰しもが認めるところであろう。

 自らが抱いた夢の実現のために、それ相当の代償を払っている。しかもそれがただの空想でない。この代償が自信につながり、「確信」になったのだろう。

 かの宮本武蔵は『五輪書』の「水の巻」の中で、「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす」と語っている。
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