読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
100
kiji
0
0
1173831
0
[新訳]孫子
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第1篇 計

『[新訳]孫子』
[訳]兵頭二十八 [発行]PHP研究所


読了目安時間:14分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

孫子いわく

 遠征戦争は、共同体が滅びるか生き残るかの、分かれめにもなる、おおごとであります。

 共同体は、共同体の神の意として遠征戦争をすべきかどうかをまず考えねばならず、またもし「する」とした場合、その戦後はどうなるのかについても、あいまいでない検討を終えておくべきであります。

 そのためには共同体は、平時から、戦争の細かいところまで、明瞭に理解しているのでなくては、どうしようもなくなるはずであります。そのために、本書があります。


 戦争をするかしないか、検討するのには、つづいて述べます5つのことがらによく目をつけまして、みはからうようにします。

 その5つのうち、いくつまでが、はたしてわが共同体にとりまして好都合になっておるか、はたまたなってはいないのか、よくかぞえあげて、くらべかんがえねばなりません。

 そのさいには、(われ)(かれ)との、いつわりのない実態、まじりけのないありさまを、たぐりよせるようにして求めなければ、はじまらぬのであります。


 5つの着眼項目とは、「道」「天」「地」「将」「法」であります。

 まず「道」とは、政治の行なわれ方です。指導する者とされる者とが、目的のために、一心同体になれる政体。これが、戦争で負けぬためには、理想的です。

 高級官僚から無職遊民まで、共同体の全成員が、死も生もともにすることができ、特に、兵卒を構成する多数の下層民が危険を前にしておそれひるまなくなっている。

 このような理想的なコンディションに、はたして(われ)および(かれ)の政体は、近いでしょうか、遠いでしょうか。まず、それをみきわめます。


 次に「天」とは、季節、寒暖・晴雨・明暗・乾湿・干満・風などの天象、夜昼の時刻、気候の順・不順、突発的な天災の有無、農作の豊凶、そして、彼我(ひが)の準備態勢が、狙ったタイミングに間に合うか否かを、みきわめることであります。

兵頭いわく

 1972年に、昔の「齊」の国にあたる銀雀山というところで、前漢代の墓が発掘され、中から「孫子兵法」の竹簡の一部が出てきました。つまり、およそ1800年前に曹操(後漢〜三国時代の魏の王で、死後追号されて「魏武帝」)が編集・保存して以来世界に流行してきた『孫子』のテキストよりも、もっと古い形を伝えている可能性のある残簡です。そこには、以上の文に続けて「順逆兵勝也」と書いてあることが判りました。

 昔から、愛民のため冬と夏は遠征しない(『司馬法』)、ですとか、冬は北国を征伐せず、夏は熱地を征伐しない、といった常道がありました。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:5707文字/本文:6766文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次