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[新訳]孫子
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生き方・教養
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第7篇 軍争

『[新訳]孫子』
[訳]兵頭二十八 [発行]PHP研究所


読了目安時間:13分
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孫子いわく

 遠征戦争では、共同体の命を受けた司令官が、おびただしい人員・部隊を集めととのえ、キャンプではおびただしい車輛が(ながえ)を交えるほどに混雑したありさまになります。

 そこまでは誰でも何とかなるのですが、さて、難しいのは、ここから敵との合戦を有利にもっていく手なのです。

兵頭いわく

 原文の「和」を軍門すなわち野外の陣所であるとし、「交和」を両陣対峙のことだとする古くからの解釈に、わたくしは(なら)えません。最初から敵味方が接近しているのであれば、以下のマヌーバー(機動)の余地など、ごく少なくなってしまうでしょう。


 敵との合戦を有利にもっていくスキルの中でも、遠くの目的地までいかに早く楽に到達するかを考えるのが、ひとしお難しいものです。

 あえて困難な進撃路を選ぶことで、かえって楽に勝てる場合があります。


 真に先取を欲する地点への一般的な道すじを選ばず、また、あえてゆっくり進み、それによって敵をおびき出してやれば、もともと敵の方がその地点に近かったとしても、(われ)は急に敵をだしぬいて、敵よりも先にそこへ進出することができます。これが「(うちよく)」の手です。


 けれども、その狙いがうまくいかないときは、逆に悲惨な結果が待っております。だから難しい。


 部隊のマヌーバー(機動や躍進)は、勝利を得るためにやらねばならないのですが、それは、(われ)にとっての大きな危険を冒すことでもあります。

 というのは、我の部隊がガッチリとフォーメーションを組んだままだと、移動速度は高められず、敵部隊をだしぬけないのです。


 特に軽快な部下だけを選抜して先行させたり、部隊のフォーメーションを解いて、将兵に各自バラバラでいいからと、とにかく急進させたりすると、行動が鈍重な補給用の車輛はついてこられず、せっかく集めた物資ともども、後方に捨ておかれることになります。


 誰もが重いヨロイを輜重(しちよう)にあずけて身軽となり、昼も夜も停止しないで数十キロメートル以上も道を急げば、(われ)の全軍が潰滅するでしょう。強健な歩卒が先行し、つかれきった歩卒は落伍しますので、もとの1割の兵力しか、目的地には達しません。

 行程が数十キロメートルの半分なら、潰滅するのは全軍の三分の一、また、到達する兵力は半数となります。
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