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世界の常識vs日本のことわざ
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雑学
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1 どの社会にも最適の暮らし方がある

『世界の常識vs日本のことわざ』
[著]布施克彦 [発行]PHP研究所


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せっかく世界に通用することわざをもっているというのに、日本人はその実践を忘れていないか。世界じゅうどこでも通じることわざを、よく認識することから始めよう。

郷に入っては郷に従え


 日本人はおおむね勤勉な民族と言われる。そのせいか、外国へ行って地元の人たちがやけにノンビリしていると、苛立(いらだ)ちを覚えることがある。そして、すぐに、「ここの連中は怠け者ばかりだ!」と決めつける。でも、それはまちがっていることが多い。

 ある土地の文化、習慣、価値観は、合理的なものばかりである。その土地の諸条件のなかで暮らす人びとのあいだで、長年にわたって(つちか)われてきたものだからだ。そこで最適の暮らし方が、その土地の文化、習慣、価値観として形成されている。

 日本人は、季節が次々と移ろう気候風土に対応した生活様式をつくりあげてきた。年じゅう高温で、長い雨季と長い乾季が交互にやってくる単調な風土であれば、まったく違った生活様式や価値観が生まれるのは当然だ。

 ところが、条件の違う外国の土地に行っても、日本流の働き方や生活態度を貫こうとする人がいる。これは日本では合理的な方法であっても、その土地では非合理的だと言える。無理に日本流を通しても、うまくいかないだろう。そのあげく、気を病んだり、体を壊したりする。

 もっとも、現地の流儀に反した日本流の正確さや気配りを事業に生かすことで、ビジネスが成功にいたる可能性はある。それでも長期的に見ると、完璧な日本流を貫きつづければ無理が生じる。現地の従業員たちに無理やり日本流を押しつければ、反発を買う可能性も高い。現地流をどこまで取り入れるかが、事業成功のポイントとなるだろう。

 その土地の文化、習慣、人びとの価値観を形づくる要件は、その土地の気候風土と、そこでくりひろげられてきた歴史のなかにある。外国へ行ったら、その土地の風土を注意深く体験し、歴史を勉強することが大切だ。それらを通して、その土地の特殊性を理解することができる。それまで奇異に感じていたことが、なるほどと()に落ちるようになる。そうなれば、その土地への親しみが湧いてくる。

慣習は法律に勝る

 傲慢(ごうまん)なヨーロッパ帝国主義は、「租界(そかい)」と称する本国のミニチュア区画を植民地につくった。それを受け継いだアメリカ人も、広大な一画を囲い込んで、ゴルフ場を配した排他的な専用居住区をつくった。世界に広がる中国人は、各地にチャイナタウンを築いて、民族の生活様式を墨守(ぼくしゆ)した。それらを真似ようとした日本人は、世界各地に日本料理店、カラオケバー、ゴルフ場の三点セットを確保することに熱心だった。

 これら「郷に入っては郷に従え」に反する行為は、やがて消滅するか、モニュメント化されるか、あるいは現地流に改変されて、その土地に溶け込んでいくだろう。

 外地に新しい文化や知恵を持ち込むことは大事だが、それらをその土地の特殊性のなかに根づかせなくては意味がない。そのためには、その土地を知り、その土地のやり方を尊重することが基本となる。

 慣習は法律に勝る、と言われる。その国の法律、制度、政治、経済市場を知ることは大切だが、それだけでは、その土地の半分も知ったことにはならない。風土と歴史を学び、その土地の生きた社会に飛び込み、地元の人びとの行動をみずからがなぞることで、その土地を理解する。それによって、外国に来た目的に近づくことができる。
「ローマにいるなら、ローマ人のように行動せよ」という言葉がある。「山羊(やぎ)小屋ではメーと鳴き、水牛の囲い場ではモーと鳴け」というのは、マレーシアのことわざだ。「郷に入っては郷に従え」は、地球上どこでも通用することわざだと思う。

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