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異次元緩和に「出口」なし! 日銀危機に備えよ
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経済・金融
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第1章 異次元の危機的状況にある日本経済。ハードランディングはもはや不可避だ

『異次元緩和に「出口」なし! 日銀危機に備えよ』
[著]藤巻健史 [発行]PHP研究所


読了目安時間:23分
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今の日本経済は極めて危険な状態にある



 景気拡大局面がバブル期を超え、戦後三番目の長さに──。


 先日、そんな見出しが、新聞におどっていました。


 二〇一二年十二月から始まった「アベノミクス景気」の長さが、二〇一七年三月で「五十二カ月間」となり、一九八六年十二月から一九九一年二月まで続いたバブル景気の「五十一カ月間」を上回ったというのです。


 戦後二番目に長いのは「いざなぎ景気」で、一九六五年十一月から一九七〇年七月までの「五十七カ月間」なので、この本が出る頃にはいざなぎ景気さえも上回っているかもしれません。


 こうしたニュースを見ると、「景気拡大局面と言われてもあまり実感はないけれど、アベノミクスは一定の成果はあげているようだ。少なくとも今の日本経済は危機的な状況にはない」と考える人もいるかもしれません。



 しかし私の見方はまったく違います。

「安倍政権と日銀が行った異次元の質的・量的金融緩和(異次元緩和)によって、今の日本経済は極めて危険な状態にある。見えないところでマグマはどんどん大きくなっており、暴力的な噴火、すなわちハイパーインフレと円の大暴落が起きるのは時間の問題。そして、残された時間はどんどん少なくなってきている」


 私はそのぐらいの強い危機感を持っています。


 そこで本章では、日本経済が置かれている現状の恐ろしさについて、解説していきます(私の過去の著書を読んでいただいた方にとっては、すでに知っていることもあると思いますが、復習と思って読んでみてください)。



 まずなんといっても取り上げなくてはいけないのは、日本の深刻な財政状況です。日本の借金が異常なまでに積み上がっていることは、皆さんもすでにご存じかと思います。


 二〇一六年十二月末の日本の公的債務残高は、OECD(経済協力開発機構)のデータによると対名目GDP比で二三二・四%にも達しています。


 この数字は、欧米諸国と比べると、ダブルスコアの大差をつけるほどの借金の多さです。財政破綻危機で騒がれたギリシャですら二〇〇%(二〇一六年末)で、日本の数字ははるかその上をいっているのです。


 中立組織である米議会予算局(CBO)は、二〇一七年三月末に米国政府の債務の長期見通しを発表しました。その中で、米国政府債務は今後三十年で倍増し、GDP比に対する債務比率も二〇一七年の七七%から三十年後には一五〇%に膨らむ、と試算しています。政府債務が膨らむのは高齢者向けの社会保障費が増大するためで、「国家の重大な危機が生じる」と警告を鳴らしたのです。


 アメリカでは三十年後に借金が対GDP比で一五〇%に達し「国家の重大な危機が生じる」そうですが、日本はすでに二三二%にも達しているわけです。つまり、アメリカでは三十年後に来る大きなリスクに、日本は現時点ですでにさらされているということです。私は日本に「国家の重大な危機」がいつ起きてもおかしくないと思っています。


巨額の単年度赤字を二十年以上続けてきた異常さ



 そもそも、なぜこんなに借金が積み上がってしまったのでしょうか。


 それは、この三十年間(一九八五~二〇一五年)で名目GDPが一・五倍にしか大きくならなかったのに、歳出を二倍に増やしてしまったからです。


 まず、名目GDPから見ていきましょう。「一・五倍にもなっているのなら悪くないのでは」と思った人もいるかもしれませんが、その低さは他国と比較するとよくわかります。同じ三十年間で、アメリカは四・一倍、イギリスは四・九倍、韓国は一七・八倍、オーストラリアは七・四倍、シンガポールは九・八倍、中国は七五倍(七・五倍ではありません。七五倍です)にも名目GDPを伸ばしているのです。中国が日本の名目GDPを超して、「日本の名目GDPは世界で三番目に陥落した」と大騒ぎしたのは二〇一〇年です。それからたった七年で中国の名目GDPは日本の二・五倍にもなっています。


 もともとの数字が小さかった新興国が何倍も伸ばしてきただけなら、日本が停滞しているのは仕方がないと言えますが、アメリカやイギリスのような先進国も四倍以上に伸ばしているわけですから言い訳はできません。日本の一・五倍はあまりにも情けない成績です。ちなみに、こうした長期低迷の元凶は、「通貨政策の欠如による円高」にあると私は考えていますが、このことについては第5章であらためて述べます。

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