●自動車教習所からの卒業●
病氣を治したい、人間関係をよくしたい、チャンスが欲しいなどと、自分の思い通りになるよう現世利益を求めて「ありがとう」を唱えるのが感謝法です。
第2章では「心のゴムの手で幸せをつかみましょう、感謝法でよいことが起きます」とお伝えしましたが、実は、それらの生き方は、自分の借りたレンタカーの運転法をマスターするための、自動車教習所の中での練習だったのです。もちろん、レンタカーを自分で自由に運転していいのですが、運転方法を知らないことには、自由に走り回れません。
まずは人生は、自分の考え(言葉)、呼吸と笑顔で変えることができるとわかる、つまり人生という車を自由に動かせるようになったら、教習所を卒業し、本当の道路に出て運転しましょう。
そこではもう、感謝法ではなく感謝行をしたほうが、結果的に大きな得をするのです。天命を生きて永遠の、そして本物の幸せを手に入れるには、感謝法ではなく、感謝行でなければならないのです。
●感謝法から感謝行へ●
感謝法を一生懸命、やってやって、やり続けていると、氣づいたら我欲の思いがなくなって感謝行になっている……というふうに自然と変わっていきます。「○○が欲しい」とか「つらい状況をよい方向に変えたい」という欲求から「ありがとうございます」と唱えていたのに、いつの間にか「○○が欲しい」「状況を変えてほしい」という氣持ちが消えてしまい、ひたすら「ありがとうございます」だけになっていくのです。1000回(15〜20分)から5000回くらい唱え続けると、最後のほうには、ひたすら「ありがとう、ありがとうございます」を唱えているというような心境の変化が体験できるようです。
1日1000回でまだそんな心境になれなかったら、2000回、3000回にチャレンジしてみてください。いつかは必ずひたすら唱え続けている、といった自然体の境地が味わえます。そして実行した人の多くは、いつしかふんわりと温かい安心感に包まれている自分に氣づき始めます。そのとき、心から感謝の氣持ちが湧き上がってくるでしょう。
もちろん時間が経ってまた、エゴの思いが出てくることもあり、最初のうち、行ったり来たり繰り返すことが多いものです。でも大丈夫! エゴの思いが出ても、また続けてより熱心に唱えればいいのです。繰り返しているうちに、より早く、より長い時間、安心感にあふれた自然体の境地に入れるようになります。ただ続ければいいのです。