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生き方・教養
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男のことば女のことば

『ことばのスケッチブック』
[著]楠本憲吉 [発行]PHP研究所


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 敬語の美しさ



 私は大阪の船場で生まれ船場で育ったが、大阪のヘソといわれる船場では敬語が特に尊重されていた。一般に「あんた」というところを「あんさん」という。あるいは「あんたはん」である。目下を呼ぶのも「おまえ」ではなく「おまはん」という。丁稚(でつち)小僧も「憲吉どん」または「(けん)(きつ)とん」であり、お手伝いさんも「お竹どん」である。これらは上品で(てい)(ちよう)で結構なのだが、隣の猫にまで敬語を使わされたのには参った。隣の猫のことを、「猫がいやはる」といわねばならない。「猫がいる」では飼い主に失礼に当たるというわけなのであろう。


 しかし、敬語を()()便(べん)(ねい)に使うなどもってのほかである。


 金田一京助氏は、



  敬語も、人と時と所とにしっくり調和することがやはり美しさの要件である。だから、保存するのなら、適正な敬語を保存すべきで、濫用は避け、行き過ぎは戒め、誤用はこれを正して、新しい世にふさわしい程度の敬語を保存すべきであろう。



 といわれている。


 敬語廃止論者の唯一の拠りどころは、日本と違って、敬語のきわめて少ない外国語でも、社会生活は結構スムーズにやっているではないか、だから日本でも敬語なんか廃止した方が能率的な社会生活が成り立つではないかという点にある。

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