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子どものための発達トレーニング
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第5章 視覚・空間認知のトレーニング

『子どものための発達トレーニング』
[著]岡田尊司 [発行]PHP研究所


読了目安時間:29分
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 本章では、視覚情報を扱う能力や目と手を使う作業的、運動的な能力の土台となる視覚・空間認知の能力について、みていきます。まず、お子さんの課題を把握するために、チェックリストをつけてみてください。


チェックリスト4 視覚・空間認知の課題


(1)運動(鉄棒、球技、ダンスなど)が苦手である。


  〓とても 〓いくらか 〓あまり 〓まったく


(2)手先が不器用である。


  〓とても 〓いくらか 〓あまり 〓まったく


(3)体のバランスが悪く、よくケガをする。


  〓しばしば 〓ときどき 〓たまに 〓めったに


(4)地図や図形が苦手で、よく道に迷う。


  〓とても 〓いくらか 〓あまり 〓まったく


(5)絵を描いたり、工作をするのが苦手である。


  〓とても 〓いくらか 〓あまり 〓まったく


(6)文字、とくに漢字を書くのが苦手である。


  〓とても 〓いくらか 〓あまり 〓まったく


(7)左右がすぐにわからないときがある。


  〓とても 〓いくらか 〓あまり 〓まったく


(8)鏡文字を書くことがある。


  〓しばしば 〓ときどき 〓たまに 〓めったに


視覚・空間認知の能力とは



 視覚・空間情報処理(または、視覚・空間認知)の能力は、動作性知能とも呼ばれ、目から入ってきた情報を記憶したり、そこから意味を読み取ったり、推理したり、目からの情報と手足の運動を連動させながら行動を行ったりする機能を指します。


 視覚・空間認知が弱いと、運動が苦手となったり、手先が不器用になったり、体のバランスが悪かったり、動きがぎこちなかったり、図形や立体がわかりにくかったり、状況を瞬時に判断し、臨機応変に対応することができなかったり、作業がてきぱきとこなせなかったりします。


 視覚・空間情報処理にも、さまざまな機能がありますが、WISC‐〓では、知覚推理処理速度に分けられています。知覚推理は、図形を操作したり、絵や図形の情報から推理したりする能力を表しています。処理速度は、目と手を使って行う単純な作業を、素早く正確に行う能力で、一つずつ課題を行う(ちく)()(しよ)()と、同時に二つの課題を行う同時処理の能力が含まれます。


 知覚推理には、規則性を見出したり、概念化したり、再構成したりといったより高度な情報処理が必要だと言えます。それに対して、処理速度は、一つひとつのタスクは単純だけれども、それを速く正確に行う能力が求められます。


 行動上の不器用さや実務的能力は、処理速度の方に反映されやすいと言えます。処理速度が表している能力は、実行機能とも呼ばれ、先に出てきた注意力も関係してきます。


 それに対して、知覚推理には、より高度な視覚系の認知能力(イメージを扱う能力や予測・推理する能力など)が反映されます。知覚推理が低いと、高度な数学や図形、グラフの理解、文章をイメージ化する必要がある応用問題、パソコンや車などの機械操作が苦手となりやすく、また、目に入った情報から状況判断したり、場面や表情から暗黙の意味を読み取ったりすることも難しくなると言えます。


 絵を描くのが得意だと思っていたのに、検査をすると知覚推理が低く、がっかりされる場合がありますが、絵を描く能力と知覚推理とは別の能力なのです。同じ視覚・空間情報処理でも、絵を描く能力は、具体的なイメージを操る能力であるのに対して、知覚推理の能力は、抽象的な認知能力なのです。前者が、イメージをイメージのまま扱うのに対して、後者におけるイメージは、意味や構造を表すものなのです。


 数学や物理といった領域では、抽象的なイメージを操る能力が不可欠です。物体や力、加速度、電流や磁界といった抽象的な存在を、どれだけクリアにイメージできるかが、ものを言います。これに関係するのが、まさに知覚推理の能力だと言えます。


 ただ、知覚推理が高い人でも、場面や表情の読み取りといった社会的認知が悪い場合もあります。情動の理解や共感には、別の能力も必要だからです。知覚推理は、あくまでも知的な側面を表す指標で、社会的認知にもかかわっていますが、それだけで決まるわけではないのです。


 また、視覚・空間情報処理の能力として、手先の(こう)()(せい)や身体運動能力も重要ですが、WISCの検査では、ほとんど測定されない機能です。これらの機能を客観的に評価するためには、他に複数の検査を行う必要があるわけですが、わざわざ検査をしなくても、日常生活や学校生活での状況がよい指標になります。


 こぼさずに、きれいに食事ができるか。文字や絵を描くのが苦手ではないか。積み木を積んだり、ブロックで形を作れるか。歩くときや走るとき、体のバランスが悪くないか。よくつまずいたり、転んでケガをしないか。体育やスポーツは得意か。特に球技が苦手ではないか。チームプレイの必要な球技がうまくできるかという点は、相手の動きからその意図を読み取る能力や状況判断能力が備わっているかどうかにもかかわってきます。


 したがって、視覚・空間認知の能力を鍛えるうえで、身近でとても役に立つものに積み木やブロック(がん)()がありますし、お絵かきや(ねん)()遊び、はさみで紙を切ったり、プラモデルを作ったりすることも、よいトレーニングです。また、スポーツや運動をすることも、優れたトレーニングになりますし、楽器を習うことも効果的です。

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