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遊びの神話
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まえがき

『遊びの神話』
[著]一条真也 [発行]PHP研究所


読了目安時間:5分
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 この本は『ハートフルに遊ぶ』に続くぼくの第二作である。『ハートフルに遊ぶ』を出版してから早くも一年が過ぎようとしているが、この一年はぼくにとって、まさに激動の一年だった。社会に出て、本を出して、その他にも色々な出来事があったが、何よりも大事件は元号が変わったことである。この本は平成元年の本なのである。

 ありがたいことに、『ハートフルに遊ぶ』はぼくの予想以上の反響を呼び、多くの人たちに読まれた。その中で、ぼくはいくつかのキーワードをあげている。「ハート化社会」「ハートピア」「はあとぴあん」そして、「ハートフル」などがそれだが、ここでこれらの言葉を簡単に整理して、もう一度意味を考えてみたいと思う。

 まず、ハート化社会からである。ビジネスの中心がハードからソフトへ移行していくということは前から言われていたが、ぼくにはソフトという言葉がどうもピンとこなかった。ソフトから連想するものは、コンピューターに絡んだ情報産業などである。すなわちソフトとは、イコール、情報のイメージがあったのだ。そこで、ぼくが関心をもっているサービスやエンターテイメント、カルチャーなどに関わる産業のために、ハートという概念を用意したのである。ソフトが知的情報であるのに対して、ハートは心的情報でもある。ハードはモノ。ソフトは情報。ハートはサービスなどの、ソフト以上に付加価値の高い精神的なものだ。ビジネスの二元論をぼくなりに三元論に組みかえたと言ってもよい。また、映画「大霊界」のヒットや、占い・オカルトの流行、それに第三次宗教ブームも、経済のハート化と無縁ではない。すべての現象はハート化社会というフレームで囲める。ハート化社会とは彼岸の世界へ関心が高まる社会でもあるのだ。

 そして、心の理想郷ハートピアとは、まさにその彼岸の世界なのである。それは、仏教における極楽浄土であり、『旧約聖書・創世記』におけるエデンの園であり、『リグ・ヴェーダ』『アヴェスタ』『コーラン』『ギルガメシュ』に出てくる天国である。そこは平和で美しい魂の原郷(ふるさと)だ。そして、そのハートピアの住人が“はあとぴあん”なのである。現在、ハート化社会のシンボルとなっているホテル、リゾート、レジャーランド、それに神社仏閣や庭園なども、すべてはハートピアの雛形なのである。さらに言えば、すばらしいショーを観たり、魂がふるえるような音楽を聴いたり、心のこもったサービスを受けたり、おいしいものを食べて感動したりする瞬間というのは、心が一時的にハートピアにワープしているのではないだろうか。また、茶室で茶をたてたり、庭園をながめてくつろいだりする時もそうである。感動する時や、リラックスする時、ぼくたちは“はあとぴあん”になっているのだ。

 最後に、数多くの広告にも登場したハートフルについて説明しよう。簡単に言って、ハートフルという言葉は「遊び」「幸福」「宗教」などと同義語である。かつて哲学において、「神」や「宇宙」や「全体」という表現が使われたが、実は「神」も「宇宙」も「全体」も、特定の時代に大きな意味をもって使用された、ある共通の概念(ヽヽヽヽヽヽヽ)を指す記号だと言うことができる。同様に、現在、キーワードとなっている「レジャー」「エンターテイメント」「アミューズメント」「アメニティ」、さらには「イベント」「リゾート」「デザイン」「ファッション」「グルメ」「スポーツ」などの記号は、ある概念(ヽヽヽヽ)を部分的に示しているにすぎないのだ。そして、その全体としての概念こそが「遊び」であり、「幸福」であり、「宗教」である。すなわち、ハートフルなのである。ハートフルとは心の理想郷ハートピアのコンセプトであり、ハートピアとはハートフルな世界そのものである。また、ハートピアの雛形であるホテル、リゾート、レジャーランド、神社仏閣、庭園などもハートフルな場所である。一時的にハートピアの雛形をつくる博覧会、サーカス、マジックショーなどのイベントが開かれる場所もハートフルだ。そして、万人がハートピアにあこがれ、“はあとぴあん”になろうとする社会がハート化社会なのである。

 さて、この本ではぼくが関心をもっていることや、体験したことや、思ったことをつれづれなるままに書いているが、歴史から学んだことも多く書いた。ぼくはミクロなトレンドには興味がなく、マクロなトレンドを読むためのデータベースとして歴史に関心をもっている。「最良の予言者は過去なり」というバイロンの言葉があるが、本当にその通りだと思う。歴史には、先人たちが残した真理のようなものが無数に隠されているのだ。くれぐれも、「感性」や「トレンド」といった記号にのみ踊らされて、「不易」と「流行」の本質を見誤ってはならない

 この本には、舞浜リゾートとロワールの古城や、ビッグエッグとコロセウムなど、新しいものと古いものが次から次へと交互に登場してくる。ぼくの夢想はとどまるところを知らず、東京ディズニーランドと伊勢神宮、多摩の昆虫ユートピアとエデンの園といった具合に、果てしなく広がる。そして、その中からぼくなりに、遊びの本質や、人が集まるハートフルな場所やイベントの法則を拾い上げていったのがこの本なのである。

 さて、某自動車のコピーではないが、時代はデラックスからリラックスへ移っていると思う。そしてさらに言うなら、ソフトからハートへ。ビューティフルからハートフルへ。ユートピアからハートピアへ。さあ、これから時間も空間も超えて、ぼくと一緒に心を遊ばせようではないか
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