ヨーロッパや中国の庭園もよいけれど、やはり日本庭園が好きだ。日本庭園を眺めていると本当に落ち着く。日本庭園は心をくつろがせてくれる、ハートフルな場所なのだ。
『日本書記』によると、日本最古の庭園は、六一二年に百済からの帰化人が朝廷の南庭に須弥山と呉橋をつくったものとなっている。須弥山は仏教の宇宙観に関わるもので、九山八海の中心をなす山、高さ五六万キロの三三人の天神が住む想像上の高峰である。奈良時代においては、賓客を接待する場所に須弥山を築いて、そこに客を座らせたというから、須弥山をつくることは相当重要なことだったようである。