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カラー写真・決定版 第二次世界大戦「戦闘機」列伝
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序 章 知っておきたい基礎知識

『カラー写真・決定版 第二次世界大戦「戦闘機」列伝』
[著]三野正洋 [発行]PHP研究所


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本書に登場する戦闘機の名称と番号について



たとえば零戦、その名の由来とは



 ここではまず大戦中の戦闘機の、名称、番号、記号について述べておこう。


 たしかに三菱(れい)(しき)艦上戦闘機を略して“(ぜろ)(せん)”(ただし制式には“れいせん”)と呼び、その理由についてほとんどの航空ファンは理解しているはずである。しかし若い読者もいるので、簡単に解説しておく。いまはほとんど使われなくなってしまっているが、日本にはかつて独特の紀元である皇紀があった。神武天皇の即位の年を元年とし、そのあと延々と続く。具体的には西暦プラス660年として示した。


 したがってこれを書いている2017年は、2677年となる。


 また昭和15年(西暦1940年)は、皇紀2600年であった。当時の大日本帝国政府は、これを大々的に祝った。零戦はこの年に誕生しているので、2600年の最後の(けた)からゼロをとって零戦となっている。陸軍の中島一式戦(はやぶさ)の一式は、2601年制式化ということである。




 次にアメリカ海軍のグラマンF4Fワイルドキャットの、F4Fにはどのような意味があるのだろう。これまたマニアの方々は知っていると思うが、それではドイツ空軍のメッサーシュミットBf109の、109は? と問われると即答できる人はごくごく限られるはずである。


 正直に記せば、本書を執筆するまで、筆者でさえこの番号の意味を知らなかった。


 このような事実から、本文に入る前に簡単に各国の戦闘機の名称と番号、記号に関してまとめてみた。本来なら爆撃機、偵察機、輸送機などにも触れるべきだが、あまりにも膨大、複雑になるので、戦闘機のみとどめておく。


各国の戦闘機の名称と番号、記号


日本陸軍


 機種を問わず設計(あるいは計画)の順にキ番号(片仮名のキ)を与えた。隼キ-43、四式戦疾風はキ-84など。またすでに記したとおり、はやぶさ、はやてといった通称も付けている。さらに改良するたびにI型、〓型といった呼び方が加わる。


日本海軍


 零戦に通称はないが、後継機には紫電、雷電といった名前を与えた。しかし制式にはアルファベットを使って、用途と製作会社を表した。零戦の場合A6Mで、Aは艦上戦闘機、6は会社の製作番号、Mは三菱を意味する。さらにこれとは別に11型、22型、32型、52型といった番号を付けている。これは1の桁が機体の改良の順番、10の桁が発動機となっている。零戦で言えばA6M1~8である。しかし詳しい分類はあまりに複雑であり、緒戦で活躍した11型、21型、22型、翼端を切断した32型、もっとも多数生産された52型などを覚えておけば充分だろう。


アメリカ陸軍


 古くは戦闘機のことをピーシューターと呼んだ。この頭文字をとり、P‐40、P‐51といった番号で表し、そのあとにウォーホーク(戦争に使う(おの))、マスタング(野生馬)といった通称を付けた。このため極めてわかりやすい。このPという記号は陸軍航空隊時代のもので、空軍が独立するとファイターのFに変わる。


アメリカ海軍


 この組織の記号の付け方は、日本海軍とよく似ている。零戦の好敵手であったグラマンF4Fワイルドキャットの場合、最初のFは戦闘機、次の4は設計番号、二番目のFはグラマン社を示し、ワイルドキャットは通称である。この通称についてグラマン社が、すべて猫に関係する名を与えていることは有名である。


イギリス空軍


 空軍だけではなく海軍も徹底して通称で呼んだ。ハリケーン、スピットファイア、モスキートという具合である。海軍で使用する戦闘機には、海を示すシー(SEA)を頭に加えた。シーハリケーンなど。


ドイツ空軍(海軍で使う場合も原則的に機名の変更はなし)


 再軍備が始まった時点で、ドイツ空軍省はすべての軍用機に通し番号を与えることを決める。最初の11番から最後は終戦直前の635まで、途中に多くの欠番はあるものの、一応番号順に開発されている。


 また担当会社→番号の順で、このあたり記号の付け方は日本海軍の場合と反対である。たとえばFw190戦闘機は、設計担当はフォッケウルフ社で、空軍省で決めた190番目の航空機、というわけである。


 さらに通称については付けたり、付けなかったりである。ただ現場や第一線の部隊では、通称がないと機名を呼ぶときに都合が悪いらしく、グスタフ、エミリーなどと適当に名前をつけていた例もある。



ソ連空軍


 まず設計者(あるいはグループ)の頭文字(2文字、あるいは3文字)、次に設計順の番号を与える。MiG-1、Yak-3などである。したがって、比較的わかりやすい。それでも例外はあり、大量生産されたポリカルポフI‐1516シリーズではこのアルファベットがなく、ただの大文字のIのみである。これは戦闘機を意味するキリル文字の頭文字と思われる。本来ならニコライ・ポリカルポフの設計なので、Po‐15とすべきなのだが。


フランス空軍


 まずアルファベットであるが、これは設計、製作を担当する会社の頭文字である。マルセル・ブロッシュMB、モラン・ソルニエMSなど。次にくる数字は、フランス航空省が与えた設計番号。しかしこの数字が何を意味するのか、わからない。


イタリア空軍


 これまた細かい資料がなく、たとえあってもイタリア語なので、推測に近いのだが一応述べておく。たとえばフィアットG50フレッチア戦闘機について、フィアットは会社名、Gは主任設計者G・ガブリエリの頭文字、50は彼の設計番号、フレッチア(矢の意味)は通称と考えてよいだろう。



 これに限らず正直なところ、機名、番号を調べていくと、思わぬ泥沼にはまり込み、動きが取れなくなりそうな気がしている。


 蛇足かもしれないが、近年のアメリカ空軍の命名法など、でたらめと言うと問題になりそうだが、まったく統一性がない。


 戦闘機にFの記号を付けるのは昔からだが、F14トムキャット、F15イーグル、F16ファイティング・ファルコンのあとに、突然F117ナイトホークと飛んでしまう。爆撃機でもB‐52ストラトフォートレスの後継は、Bを使いながらもB‐1ランサーとなっている。まあそれほど神経質になる必要はないが、大戦中の日本陸軍のキ番号、アメリカ陸軍航空隊のP記号の規則性が非常にわかりやすく思われるのであった。


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