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部下の心をしっかりつかむ ほめ上手・叱り上手になる本
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第3部 部下を育てるほめ方・叱り方・教え方

『部下の心をしっかりつかむ ほめ上手・叱り上手になる本』
[著]高嶌幸広 [発行]PHP研究所


読了目安時間:35分
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第8章 部下を育てるほめ方・叱り方


82 期待と激励の言葉で奮起させる



 これまで、第1部ではほめ方について、第2部では叱り方について、それぞれお話ししてきた。この第3部では、ほめ方・叱り方に、さらに教え方のスキルを加えて、これらのスキルを使いながら、どう部下を育てるのか、その方法についてお話しすることにしている。部下を育てるためには、ほめる、叱る、教えるの三つのスキルが必要であり、これらのどれが欠けても、部下をうまく育てることはできないのである。


 この第3部では、部下を育てるという観点からのほめ方・叱り方と教え方について、2章に分けてお話しする。まずは、部下を育てるほめ方・叱り方として、期待と激励の言葉で奮起させるということについてである。


 部下を育てるためには、ただほめるだけ、ただ叱るだけではだめである。そこには、期待と激励が込められていなければならない。

何度言ったらわかるんだ。数字のミスは命取りなんだ。まったくだめだね。君は」


 この叱り方には、まったく期待と激励が込められていない。それどころか、相手になんの光明も与えずに、絶望感だけを与えるものになっている。これを次のように変えてみたらどうだろうか。きっと叱られても、次に頑張ろうという意欲がわくはずである。

これで、三回目だね、君に言うのは。数字のミスは命取りなんだよ。もう同じことを私に言わせるなよ。君だったらわかるはずだ。頑張ってくれ。期待しているよ」


 それでは、次にほめ方を考えてみよう。

「今月の売上は予定を上回ったよ。君の頑張りがかなり貢献しているよ」

「今月の売上は予定を上回ったよ。君の頑張りがかなり貢献しているよ。これからも君の力を存分に発揮してくれ。期待しているよ」


 さて、あなたはのどちらで、ほめられたほうがうれしいだろうか。もちろん、を選択するに違いない。なぜ、よりもでほめられたほうがうれしいのだろうか。その理由を考えてみよう。のほめ方は、現在の事実のみを対象にしているだけである。一方ののほめ方は、現在の事実に加えて、未来のことに言及している。ようするに期待である。そしてさらには、「君の力を存分に発揮してくれ」という言葉で激励をしている。われわれは、現在をほめられることはうれしいのだが、さらに激励されたり、期待されると、未来をほめられることになり、もっとうれしくなるのである。


 期待と激励の言葉で、部下を奮起させようではないか。


83 ほめ言葉に評価を反映させる


いいね」「素晴らしいね」「すごいぞ」などのほめ言葉を上司からもらった部下はうれしい。しかし、もっとうれしくなるのが、そこに上司の評価が織り込まれているときである。

「とてもいいね。いままでだれもこんなことできなかったよ」

「素晴らしい。かなり高い水準だ。プロ並みだね」

「すごいぞ。よくぞやってくれた。君だからできたんだ」


 こんなほめ言葉を言われたら本当にうれしくなる。なぜ本当にうれしくなるのだろうか。まずを考えてみよう。このほめ言葉のなかには「いままでだれもできなかった」という言葉が入っている。この言葉が「とてもいいね」のほめ言葉と相まって効果をあげている。「いままでだれもできなかった」は、他の人と比べて、相手のことを優れていると言っているのである。われわれは、多くの人々のなかで、自分の存在が浮き彫りにされたときに、自分というものの存在感を意識し、それが自尊心を満たしてくれるのである。


 次に、を考えてみよう。これは、「かなり高い水準」「プロ並み」という表現で、相手のことを極めて優れていると言っている。何かの職業や技術などのレベルにたとえて、評価をしていることになる。われわれは、自分のレベルをある分野で評価されているものにたとえてほめられると、うれしさが倍増するのである。


 つづいて、である。これは、「君だからできたんだ」が大いに効果を発揮している。この言葉の裏を返せば、「君は、他のだれよりも優れている」ということを言っていることになる。他の人と比べられたなかで、評価されることは、と同様に、自尊心を大いに満足させてくれるのである。


 しかし、このように比較したり、たとえたりして、評価ができない場合はどうすればいいのかという疑問がわいてくると思う。そこで、相手の過去と現在とを比較して、どれだけよくなったかを伝える。たとえば、「仕事の進め方が、六カ月前とは雲泥の差だよ」などの言葉を使ってみる。また、あなた自身の評価基準に照らして、優れていることを伝える。「私は、この仕事はむずかしいと思っていたんだが、君は意外に簡単にやってしまったね」などと言うのである。こうすれば、ほめ言葉に評価が反映され、そのほめ言葉は、さらにパワーアップして部下の心をとらえることになるのである。


 ほめ言葉に評価を反映させると、効果的なほめ方ができる。


84 自分の考えや感情の強制はしない


なぜ俺の言うとおりにしないのか。なぜ俺の気持ちがわからないのか」


 こんなことを言って、上司は部下に自分の考え方や感情の強制をする。一方、部下は次のように言って、上司をうとんじる。

いちいちうるさいな。俺には俺の考え方がある。やり方がある。なぜ思いどおりにやらせてくれないんだ」


 とかく、上司は部下に自分の考え方や感情を押しつけたがる。部下を自分の経験をもとにした画一的な型にはめたがるのだ。そして、自分の意に沿わないと、「あいつは俺の言うことをきかない。俺に反感を持っている」と、自分の非を忘れて、一方的に部下が悪いと言うのである。


 これでは、部下をうまく育てられるわけがない。伸びてしかるべき部下が伸びなかったり、かえってやる気を失わせてしまったりするわけである。部下を育てるには、部下の個性に合わせた育て方をしなければならない。それなのに、自分の型に押し込めようとする上司が大半なのだ。確かに、自分の経験をもとにした画一的な型にはめるやり方は、部下個々人の能力や個性を伸ばすやり方よりも簡単でやりやすい。権力をカサに着て、部下を強引にその型に押し込めればいいからである。


 一方、部下個々人の能力や個性を伸ばすやり方は、よく部下を観察し、その能力、人柄、性格をそれぞれの部下について、十分につかんでおかなければできない。このためには、長い時間と、地道な努力が必要になってくる。


 大半の上司は、こんな面倒なことをしたくないと思っている。

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