ゴルバチョフでも救えない
ソビエトのゴルバチョフ書記長は、改革をはじめてからこれまでにも何回か危機にみまわれたが、その度にTV演説で国民に直接訴えるなど、さまざまな手段を使って巧妙に危機を脱してきた。だが、「今度ばかりは、もう駄目ではないか」とホワイトハウスは見ている。ホワイトハウスはソビエト国内で起きていることを克明にモニターしているが、リトアニア、モルダビアといったバルト海沿岸の小国だけではなく、中央アジアの回教徒たちの間にも政府にたいする不満が高まっている。
「二十世紀の人類の実験は壮大な失敗に終った」