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第7章 全感覚の活用

『勝つための状況判断学』
[著]松村劭 [発行]PHP研究所


読了目安時間:14分
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 指揮官は陣頭で指揮せよ

 名将たちの思考過程の第二ステップは、「全感覚の活用」である。

 五感、第六感だけでなく、恐怖感などのすべての感覚をフルに活用して「戦局の焦点」がいつ、どこにくるかを見抜くことがこの第二ステップの狙いである。

 国際情勢を見極めようと考えているなら、現状という重い石に「誰が、どんな理由で、いつ、どこに梃子(てこ)入れしよう」としているかを見抜くことである。

 五感のうち「視覚」と「聴覚」は、あらゆる近代的なセンサーとコンピュータ技術、通信技術、映像技術、音響技術を利用すれば、現場の状況を遠隔地で認識できるだろう。

 しかし、戦場における死臭などの「嗅覚」、群がる蠅のうるさい感覚、燃えるような暑さ、震えが止まらないような寒さ、汗や雨、泥がまといつく肌の感覚などの「触覚」、戦場での食事の「味覚」、戦場の人々の涙と怒りから受ける感情などは近代技術をもってしても遠隔地に伝えられない。まして敵がいつ襲ってくるかも知れない「恐怖感(殺気)」は戦場の外では感ずることは不可能である。

 日本マイクロソフトで大きな業績をあげられた元社長、成毛眞氏は、
「ビル・ゲイツは、いつ事業に失敗するかと夢の中まで毎日、恐怖を感じていた。それが敗北を知らないマイクロソフトを育てた原動力であると語った」

 と述べておられる。「殺気」は、戦局の焦点を見つける重要なツールなのだ。ナポレオンも同じことを述べている。情勢や戦局は、計画したときからどんどん変化する。連続的な変化ならまだしも不連続な変化をするので、いつ、何が突然変化するかわからないことにナポレオンは恐怖を感じていたのだ。

 結局、五感も第六感も恐怖感も個別に判断に機能するわけではない。総合的に機能する。つまり、そのような総合的な感覚を活用しようとすれば、判断者が現場に出るしかない。「指揮官は陣頭で指揮せよ」の原則(先制・主導の獲得と維持の原則。第8章 連想と直覚・得意技という職人参照)である。


 ベクトルで考えることが必要

 これから始まる戦いの様相を想像する道具は、修練して得た自己体験と研讚した歴史の追体験であって、そこには数多くのパターンがあり、それらが直覚するときに頭の中を駆け巡るだろう。このような想像力を利用できるのは、戦場における戦いの様相だけではない。国際政治における覇権の争奪の様相も同じである。

 その中のパターンのうち、現在直面している現況、すなわち、「判断の目的」と「状況の特質」にもっとも適合するものを選び出すのに手助けとなるような物差しがあれば便利である。
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