読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-1
kiji
0
1
1180097
0
3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」成功への道
2
0
0
0
0
0
0
ビジネス
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
はじめに

『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」成功への道』
[著]三宅孝之 [著] 島崎崇 [発行]PHP研究所


読了目安時間:6分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ




 二〇一五年五月、私たちは、『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略』を上梓した。内容は、「なぜ、日本の大企業は数千億円規模の事業創造ができないのか。どうすればできるのか」についてであった。


 おかげさまで、大企業の方々だけでなく、ベンチャー企業の経営者、政府の方々、起業を志す学生など、多くの人たちから反響や共感をいただいた。講演にもたくさん呼ばれ、多くの場でビジネスプロデュースについて話をさせてもらうようになった。


 こうした読者の感想や講演での質問、懇親会などで聴講者と直接話すことを通じ、大きく三つのことに気がついた。


 一つ目は、事業創造のニーズが以前にも増してさらに高まっていること。「事業創造を行いたい」というレベルを超えて、「事業創造を行わなければ生き残れない」という危機感が伝わってくる企業も多数あった。


 二つ目は、「社会的課題からのアプローチ」「政府との連携」「法律は変えられる」など、目からうろこの部分もあった一方で、戦術レベルでの事業創造がうまくいかない理由については、頭ではおよそ分かっているということ。「そうそう、そうなんだよ」と共感したり、身につまされたり、「これは、うちの会社のことではないか」と思う人が多かったようだ。


 そして三つ目。これが一番大切なポイントで、事業創造へのニーズの高まりを受けて、自らも何らかのチャレンジを始めたのだが、それが全くうまくいかず、相当に苦しんでいるということ。事業創造のステップや概要については自分なりに理解しているという人であっても、「頭では分かっていても、実際にやってみるとできない」という声が圧倒的だった。



 大企業における大規模な事業創造の難しさは、

●純粋に中身の設計の難しさ

●それを妨害する構造があること


 の二つに大別できる。



 後者を突破するためのスキルもたくさんあって、それはそれで大変有用だし、ニーズも大きいのだが、肝心な中身がだめな場合に、突破のスキルだけマスターするのはそれこそ本末転倒である。


 無理にやって失敗したら、最大の妨害要因である「組織的トラウマ」が蔓延してしまい、それこそ二度と事業創造にチャレンジできなくなってしまう。



 私たちが提唱したい「理想のビジネスプロデュース」とは、

●事業規模が大きくて、

●社会的意義も高くて、

●そのプロセスにおいて失敗しない


 というものである。そして、ビジネスプロデュース戦略なら、この三つを同時に満たす形での事業創造は、十分可能であると思っている。


 事業創造は、うまくいくならこれほど楽しいものはない。規模も大きくて社会的意義も高いならなおさらだ。


 そのためにも、より深くビジネスプロデュースを理解してもらい、少しでも正しい事業創造のやり方でチャレンジしてもらいたいという想いで生まれたのが本書である。



 前者の「中身の設計」とは、正しいターゲットを見極め、そこにフィットした適切なビジネスモデルを設計するということだ。成熟社会において新しい事業を創るとなると、ましてや大企業にとって意味のあるような大きさの事業を創るとなると、従来の新規事業策定アプローチでは全く通用しない。


 その大きな事業創造のニーズに応えるために「ビジネスプロデュース戦略」はある。改めてそのポイントを挙げると次のようになる。

●「ビジネスモデルから」ではなく、「構想から」作る

●構想は、「社会的課題」から発想する

●「フック」と「回収エンジン」を駆使し、構想とビジネスをつなぐ

●構想やフックを通じて、上手に「仲間づくり」を行う

●国も仲間。法律だって変えられる



 本書では、このうちでも特に難しく、またスタートポイントに当たる構想策定と、フック(顧客を惹きつけるツール)と回収エンジン(お金を儲ける手段)の設計手法にフォーカスを当てて解説をしていきたい。



 本書の構成は以下の通りだ。


 まず、プロローグにおいて、前作で述べた事業創造の重要なポイントについてクイックに振り返る。


 第1章では、フックと回収エンジンを取り上げ、構想や戦略との関係をフレームワークとして提示する。そして、最近伸びている/伸びてきたビジネスモデルを、このフレームワークで捉えた整理をお示ししたい。


 第2章は、会社の「強み」について取り上げる。例えばトヨタ自動車の強みは、安心安全なクルマを作ることなのか、ハイブリッドなどの新しい技術に常にチャレンジし続けていることなのか、トヨタ生産方式を生み出した文化なのか、グローバル販売網やブランドなのか。インテルやクアルコムなどのグローバル企業の「意志」に着目しながら、強みをどう捉えたらより活かせるのかに触れ、先ほどのフレームワークへの実装を解説する。


 第3章は、少し前に戻って構想の設計論について触れる。前作では主に、妄想から構想への発展の仕方を示したが、本書では、そもそも構想に発展し得るような「筋の良い妄想」をどうやって発想するのか、その筋の良さをどうやって高めるのか、といった部分に踏み込みたい。


 第4章は、オープン&クローズ戦略との対比に加え、GEのPredixを題材にとり、IoT的なコンセプトがビジネスに与える意味合いをお伝えしながら、ビジネスプロデュースのもう一つの本質である、「経営トップのコミット」について触れる。


 第5章は、前作で好評をいただいた小説風「ビジネスプロデュース・ストーリー」の第2弾。今回はハイテク製造業の会社にフォーカスを当てた。前作が主人公の視点で貫いたのに対し、今回は、様々な登場人物の視点からも描き、ビジネスプロデュースの真骨頂である「他の視点に立つ」ことのダイナミズムをお伝えしたい。テーマはIoTを取り上げ、その本質に迫ってみた。純粋にIoTを理解する手助けにもなると思う。


 第6章は、事業創造のプロセスにおいて陥りがちな落とし穴を挙げ、それについての対策を述べたい。特に、ビジネスプロデューサーの素養、チーム編成の在り方、連携の際の心構え、実行ステージでのKPIの四つについて解説する。


 最後に、本書全体を振り返り、ビジネスプロデュースの歴史的な位置づけについて触れて締めくくりたい。



 私たちドリームインキュベータ(以下「DI」と言う)にとっての社会的課題は、先進国、特に日本で大きな事業創造ができていないことである。大きな事業創造が次々とできれば、新たな大型の雇用も生まれ、経済も成長し、人々が安心して暮らせるようになる。


 社会的課題は、事業として解決するからこそサスティナビリティも確保できる。だからこそ、事業創造を通じて様々な社会的課題を解決することにはとても大きな意義がある。


 その取り組みをドライブする「ビジネスプロデューサー」に息を吹き込み、活躍できるような支援をし、将来のビジネスプロデューサーを一人でも多く輩出していきたいとも考えている。



 本書でも引き続き、こうした想いを少しでも皆さまにお伝えし、そして心を同じくしてくださる方々のお役に立てれば幸いである。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:0文字/本文:2870文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次