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3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」成功への道
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ビジネス
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『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」成功への道』
[著]三宅孝之 [著] 島崎崇 [発行]PHP研究所


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 事業創造を考える際、最も発想の邪魔になるのが、「今持っているもの」である。


 実際にビジネスにする際には「持っているもの」は大変役に立つが、新しく発想する時に、「今持っているもの」からの検討をスタートさせると、つまらない妄想しか出てこないというのは、誰もが経験する。


 一方、本当に何もないところのスタートだと、今度は何も出てこない。


 そこで発想の原点として使えるのが、社会的課題である。社会的課題からの発想は、今まで自社視点だったものを社会視点に変えることになるが、これが意外に難しい。



 ついこの間まで、会社の戦略を描くとなれば、社会と会社との線引きを前提に、「いかに自社だけにおいしいものを持って来られるか?」を考えるのが基本だった。極めて組織セントリックな思考である。


 日本企業は、その組織セントリックな思考が、どうやらとても強い。三菱自動車のリコール問題や東芝の不正会計など、(いん)(ぺい)を組織の末端までが一体となって行うのは、海外ではあまり見られない光景らしい。


 ビジネスプロデュースは、その組織セントリックとは対極の立場をとっており、会社と社会との線引きを一旦なくして考えることを強調し、社会を自らの組織と捉えるような思考を推奨している。


 しかし、そもそも会社というものは、社会に貢献することをそのミッションとして生まれてきた存在である。そして、貢献に応じて社会から得られる収益で存続を許され、貢献の継続を社会から求められるという存在でもある。

「社会」や「会社」という日本語は明治維新前後の当て字らしいが、漢字が逆さまに当てられているのは、偶然でないと思う。



 いつの間にか、会社の方は、収益のみが強調されるようになり、会社の社会への貢献不足が蓄積してしまったのだろう。そしてついに、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)という形で企業の社会に対する貢献を、明示的に求める雰囲気ができあがり、多くの一流企業が、芸術活動への寄付や、地域のお祭りなどへの寄付といった付け焼き刃的対応に追われた時期が続いた。随分と本末転倒な話である。


 近年はその反省からか、今度はCSV(Creating Shared Value)という言葉が出てきた。「会社の社会貢献活動は、それ自体を事業としてなすべき」というものだ。しかし、本来はこのCSVこそが、本来の企業の姿なのだ。



 ビジネスプロデュースの考え方は、このCSVの考え方に近く、CSVを企業のビジネス活動として具体化する方法論として位置づけることもできる。

「社会的課題からの発想」というアプローチは、自社の「持っているもの」を「単なる収益の仕組み」と、本質的な「強み」とに分解して考えることを容易にする。


 そして、残った「収益の仕組み」を回収エンジンとし、「強み」を新たにフックとして構成することで顧客を惹きつける役目を持たせると共に、フック強化のために、社会的課題の一部を切り取った「構想」の中に位置づけるのがビジネスプロデュースの考え方である。


 政策との連携も仲間づくりも、ギラギラとしたフックだけでは難しいが、構想として広がりを持たせることでスムーズに進められるようになる。



 社会的課題は、数もたくさんあるが、一つひとつが大変奥深い。


 私たちが大企業のビジネスプロデュース支援をしていて、いつも面白いなと思うことは、同じ社会的課題でも、企業ごとに全く違う切り取り方になっていくことだ。


 つまり、社会的課題というのは、「世の中に転がっている」のではなく、「社会と会社の間に転がっている」ものなのだろう。だから、社会的課題の検討は、自社の本質的な在り様を突き詰めることでもあり、企業の本来の存在価値や本質的な強みを再発見することに他ならないとも思う。



 本書では、「ビジネスプロデュース成功への道」として、事業創造に向けた正しい設計論と、組織が動くために必要となる経営トップ(=社長)のコミットの二つをお話しした。停滞が続いていると言われている日本の大企業の中でも、すでにこの二つを備え、次の飛躍に向けて進み始めている企業はある。

「はじめに」で、私たちDI自身が取り組む社会的課題は、「新たな大型の事業創造を起こしていく」ことと、「それをドライブするビジネスプロデューサーを育てていく」ことだと述べた。


 今後も、「事業創造」という社会的課題と格闘し、クライアント企業やビジネスプロデューサーの方々への支援を通じて、会社の本質的な在り様と本来の付加価値の再発見を加速していきたいと思う。



 二〇一七年四月

株式会社ドリームインキュベータ執行役員 三宅孝之 

島崎 崇 

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