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教育
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B章/自分で学校を創る決意

『第3の教育』
[著]炭谷俊樹 [発行]PHP研究所


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   (7)娘を入れたい学校がない!


 デンマークでの生活が二年をすぎ、日本に戻ってきた私は、神戸で娘の幼稚園探しをしました。最初に近所の幼稚園を見にいき、教室に入ったとたん、目が点になってしまいました。後ろの壁に、三十人くらいの子どもの描いた絵が()ってあったのですが、それがどれも同じ構図、同じ色使いの絵なのです。

 子どもは一人一人描きたいものが違うはずなのです。特に小さい子どもは自分に見えたままに主観的に描きますから、ある部分が強調されたりして個性が表れ、面白いのです。それなのに全員が同じ構図、同じ色使いの絵を描いたというのは、よほど無理やり子どもの描きたい気持ちを抑え込んで、先生が強く押しつけたに違いないと思いました。たとえば、「それは違うじゃないの。太陽は黄色じゃないでしょ、赤でしょ」という具合に。

 きっと、先生に教えられたことに疑問をもつことは奨励されず、そのまま受け入れることを求められるのでしょう。その結果が、どうなるかは明白です。質問をしない、疑問をもたない子どもが「素直でいい子」とされ、問題意識のある子はうるさい子、ということになってしまうのです。そういう「素直でいい子」たちは、先生の言う通りにすることに慣れ、自分で考えない、自分で決められない、また責任もとれない人間に成長してしまう危険性があると思います。

 言われたとおりにしていれば何とかなった高度成長時代なら、そこそこうまくいったかもしれません。しかし今、世界が急激に変化し、一人一人の判断力が求められる時代では、これでは通用しないでしょう。

 その後いくつか幼稚園を見学に行ったものの、結局これといったところがありませんでした。私と妻は、さんざん迷ったあげく、娘の個性を比較的に尊重してくれる、神戸のインターナショナル・スクールに入れることにしました。その時たいへん悔しい思いを味わいました。日本人であるのに、日本に入れたい学校がないのですから。この時から「こうなったら、自分で学校を創るしかないのでは……」と思い始めたのです。



   (8)阪神大震災に遭う


 それから一年あまり、大阪でマッキンゼーの仕事をしていましたが、その間に、次々と大変な出来事が起こりました。全部、同じ年(一九九五年)に起こっています。

 まず、阪神大震災です。次にオウム事件、マッキンゼーの社員採用面接、そしてインターネット時代の到来。

 幼稚園探しの一件にくわえて、これらの出来事が続けざまに起こり、私を教育に携わらせる強烈な誘因になりました。

 まず地震ですが、日本に帰って神戸に落ち着いた次の年のはじめに大地震があり、死の恐怖に直面した強烈な体験でした。私の家は幸い──中はグチャグチャになりましたが──全壊はしなかったのですが、周囲はかなりひどい被害で、六甲道という普段使っていた駅はぺしゃんこになるし、スーパーは崩壊し、日頃利用していたお店は大体(つぶ)れてしまいました。
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