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第3の教育
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教育
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D章/「第3の教育」の実現

『第3の教育』
[著]炭谷俊樹 [発行]PHP研究所


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   17)挫折と再チャレンジ


 アフタースクールを始めた九六年の十二月一日に、フルスクール準備委員会のミーティングを初めて開き、ラーンネットの趣旨に興味を持った方十人が集まりました。そのなかには翌年からスタッフとして加わる山尾や齋藤も含まれていました。

 雪の降る寒い一日でしたが、どのようなスクールにするか、を皆で熱く議論しました。

 テーマ学習をやろう、午後は自由な時間にしよう、あるいはこういう時間はこうしようといった具合にフルスクールの青写真を作っていきました。

 そして九七年四月の開校を目指し、場所探し、先生探し、生徒探しを始めました。

 しかし、反応は、紙でしか説明されてないような学校にだれが行くのかというような感じでした。生徒も先生も場所も見つかりませんでした。残念ながら、九七年四月開校は断念しました。

 しかし、場所がないから、生徒が集まらないから、先生が集まらないからと、できない理由を探していると、いつまでたっても本当にできない。“たとえ生徒一人でもいいからとにかくはじめよう”ということにしました。今度は思い切って大人向けのパソコンスクールを閉鎖し、九八年四月開校に向けてスタッフ五人の総力を結集して、フルスクールのカリキュラムを開発することに専念しました。九七年の末より再び生徒募集をしました。すると、ようやく何人か興味を持った方が集まり、九八年四月に一応フルスクール開校にこぎつけたのです。初日はほんとに生徒さんが来てくれるのだろうか、と門の前ではらはらと待っていました。最初の一人が見えたとき、おもわず熱いモノがこみ上げてきました。いよいよラーンネット・グローバルスクール(LGS)・フルスクールの誕生です。

 実はその時はまだ場所のいいところが見つからず、アフタースクールを開いている自宅の別室で始めたのですが、ゆったりと遊ぶところもなかったので、評判がよくありませんでした。よたよた歩きで一学期を過ごし、夏休みに入ってから、やっと六甲山にいい場所を見つけたのです。



   18)六甲山のびのびロッジ


 この場所探しには本当に苦労しました。フルスクールをするのだったら、絶対に自然環境がいいところでしたいと思っていました。というのも、海外のいい学校に行くと、必ず山の上とか、自然環境のいいところにあり、私はそれにこだわっていました。この場所探しを通じて改めてわかったことは、都会にはあまり自然が残っていないということです。緑の公園があっても、農薬がまかれていて、虫もいない。こうしてだんだん都会から離れた場所に目が向いていったのです。やっと二年越しで、九八年の夏に見つかったのです。不動産の相場も落ちてきていて、思っていたより安くなっていました。すったもんだのあげく、松山と私の共同名義で取得し、スクールに貸し出すことにしたのです。

 こうしてLGSの活動拠点である“六甲山のびのびロッジ”を、神戸市六甲山の標高八五〇mの環境豊かな国立公園内におくことができました。

 このロッジは、地上一階、地下一階の山荘風の建物で、教室用に大きな部屋が三つあり、ほかに広いキッチンや工作室、卓球場など十分なスペースを確保してあります。敷地はおよそ六百坪です。周辺の環境は、生物や植物の観察、アウトドア活動に利用できます。ベランダからは、周辺の山々や北神戸を一望できます。広い庭には、たくさんの木々や草花が育ち、野菜や果物の栽培はもちろん、ファイヤープレースで野外料理も楽しめます。

 さっそくのびのびロッジでサマースクールを開いたところ、場所とスクールの内容がいいということで、非常に好評でした。このときに実施した“宇宙”をテーマにしたカリキュラムは今思い起こしても印象的で、LGSの本当のスタートを象徴するクラスだったと思います。ゴムにぶら下がって無重力体験をしたり、滑車付きの椅子(いす)に乗って、作用反作用の実験をしたり、ロッジのスペースを活用し、頭だけでなく身体で体験して学ぶ楽しいカリキュラムでした。このサマースクールの参加者の中にフルスクールに来ることになる生徒さんが何人かいました。

 しかしながらフルスクールの一年目は試行錯誤でした。オープンコースといっていたのですが、毎日来るのではなく、水曜日だけとか、水・木だけとか、水・木・金だけとかに来て、今通っている学校と比べてみる。比べて、よかったほうに来てくださいという感じのオープンクラスも作ったりしました。

 今、思い返してみると、九八年というのはフルスクールが始まったと言いながら、お試しみたいな期間だったのです。九九年四月、三名のお母さんより正式入学したいとのお話をいただき、九八年四月のフルスクール開校日に続き、二度目の涙を流しました。

テーマ例:宇宙

このテーマでは、無重力やロケットが飛ぶ原理を体験を通して学びました。また今後の宇宙開発(宇宙ステーション計画)の話や、ペットボトルロケット作りを通して宇宙への関心を高めてもらうことをねらいとしました。

●無重力を体験●
松山ナビゲーターはかつて宇宙開発の仕事をしており、当時微小重力実験飛行というのを体験しました。その時のビデオと体験談を披露すると、飛行機の中で100kg近い松山の巨体が浮き上がるのを見て、子ども達は大爆笑。「あんなでっかい人が浮き上がるんだ!ウソみたい」「どんな気持ちがするのかなあ」と、さんざん笑った子ども達に疑問が湧いてきます。
では、体重が軽くなる感じを体験してみようということで、のびのびロッジの庭にあるブランコの外枠を利用して、そこからぶら下げたゴムに両手両足とお腹を結びつけました。体がゴムで上に引っ張られるため、飛び跳ねると普段より高く飛び上がれるし、寝た体勢でいると、まるで宙に浮かんでいるような気がしました。
「無重力ってこんな感じ?」「これのもっとすごいやつかなあ」と、子ども達は無重力がどんなものか体験を通して理解できたようです。

●ロケットの飛ぶ原理を体験●
「どうして、ロケットは飛ぶのだろう?」この疑問を解くには作用・反作用という物理法則を理解する必要があります。そこで、その作用・反作用を体験学習しました。キャリアー付きの椅子に座って重いものを投げると、前に押し出す力の作用によって、椅子は反作用で後ろに進みます。
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