「亭主元気で留守がいい」
これは、一九八六年(昭和六十一年)、いまから約二十五年前の、バブル景気目前の頃に流れたテレビCМのフレーズで、その年の流行語大賞(流行語部門・銅賞)にも選ばれました。
税制改革で税金が下がり、地価が高騰。ブランド物を身につける人が増え、高いレストランやホテルに、誰もが普通に出入りするようになりました。海外旅行に行く人が急増したのも、この頃からです。
独身の女性たちが華やかな生活を楽しむ一方で、結婚して、子どもがまだ小さかった女性たちは、自由のきかないわが身を、つまらなく思ったこともあったかもしれません。
けれども、当時の、子育てもそろそろ終わりに近づいた妻たちは、妻たちなりに好景気を楽しみ、「亭主元気で留守がいい」とはしゃいだ、と解釈することもできるのではないでしょうか。