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世界をつくった八大聖人
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生き方・教養
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2 龍と聖人の暗号

『世界をつくった八大聖人』
[著]一条真也 [発行]PHP研究所


読了目安時間:17分
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 聖徳太子とイエス

 いよいよ、聖徳太子の話をしたいと思う。現在、その実在そのものさえ議論の対象となっている聖徳太子のイメージこそは、さまざまな聖人たちのイメージが合体したものである。とにかく聖徳太子には、おびただしいほど多くの記号がまとわりついており、その謎はあまりにも大きい。

 正式名称は「厩戸皇子」とされるが、この名も虚構だという説もある。『日本書紀』では、太子の父親は用明天皇、母親は間人皇女である。母親が妊娠中に、飛鳥朝廷の馬官(うまのつかさ)の視察におもむくが、扉の戸に当たってにわかに産気づき、皇子が誕生した。明らかに、イエス・キリストが厩で誕生する聖母マリアの話に似ている。聖徳太子の非実在説を早々に唱えた久米邦武をはじめ、厩戸皇子の誕生をキリスト誕生説話と結びつけた人物は多い。

 キリスト教の一派としてシリアのネストリウスが唱えた教えは、四三一年にローマ法王庁から異端の扱いを受けることになる。ネストリウスの信者たちはネストリアンと呼ばれ、中国では景教と呼ばれて普及した。この景教が日本に入ってきたというのである。中国には遣隋使や遣唐使が何度も行っており、こうしたキリスト誕生説話が日本にも伝わり、『日本書紀』の編者によって厩戸皇子の誕生説話をつくったのではないかというのだ。

 ただし、国文学者の中西進氏などは、馬小屋で生まれたのはイエスだけではなく、王妃が馬と交わるという聖なるイメージが世界的に存在したとの興味深い説を示している。馬が相手であるから、夫はいないのが当たり前で、夫なしで子どもが生まれたのが聖母マリアの信仰というわけである。

 中西氏によれば、それと同じ信仰が行基(ぎようき)の出生の中にもあるという。そこに馬は登場しないが、聖女の懐胎(かいたい)の物語があった。そして、聖徳太子の出生にあたって、やはり馬と聖なる女性との結婚という古代最大の秘儀のイメージが見られるというのだ。


 聖徳太子と老子

 さらに中西氏は、イエスの他にも老子の面影が聖徳太子に入り込んでいることを『聖徳太子の実像と幻像』所収の「素王・聖徳太子」で示している。
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