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第8章 脳血管性認知症

『認知症の正体』
[著]飯島裕一 [著] 佐古泰司 [発行]PHP研究所


読了目安時間:13分
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 アルツハイマー病やレビー小体型認知症のように、タンパクの異常蓄積などによって脳の神経細胞が死滅して起きる病気は、脳変性疾患と総称されます。一方、脳内や脳に通じる血管に障害が生じて、脳に血液が十分流れなくなって起こる認知症が脳血管性認知症(血管性認知症)です。アルツハイマー病に次いで患者数が多い脳血管性認知症はどんな病気なのか。主な症状を説明します。


 脳卒中が引き金に

 脳血管障害を引き起こす主な病気として、脳卒中があります。脳卒中を起こすと必ず認知症になるわけではありませんが、秋田県立脳血管研究センター・神経内科学研究部長の長田乾(ながたけん)さん(神経内科学)によると「起こしたことがない人に比べて、9倍ほど認知症になりやすい」という研究報告があるそうです。脳卒中は、血管が詰まる脳梗塞(こうそく)と、血管が破れる脳出血やくも膜下出血に大きく分けられます。脳梗塞の方が多いため、脳血管性認知症の患者も、脳梗塞による人が多くを占めます。

 脳血管障害が起きた場所によって、機能しなくなる脳の部位は異なります。そのため、症状の現れ方はさまざまですが、よく見られる症状は、料理などの家事や仕事の段取りが分からなくなったりする「遂行機能障害」と、自発性が落ちて物事に無頓着になる「アパシー」(意欲低下)です。


 これらは、意欲や理性を担う前頭葉の機能に関係しています。脳血管性認知症は、前頭葉につながる神経回路が損傷を受けることが多く、そのために現れる症状です。ただ、前頭葉自体が萎縮(いしゆく)しているわけではないので、脳変性疾患である前頭側頭葉変性症と、脳血管性認知症とでは「症状の質が違う」と長田さんは言います。

 運動障害が合併する場合も目立ちます。片側の手足の麻痺(まひ)や、歩行障害が早くから出たりします。動作や思考が鈍くなり、周囲が話し掛けても、返事があるまで時間がかかることもしばしばです。排尿障害が起こり、尿失禁することもあります。

 京都大学大学院医学研究科助教の猪原匡史(いはらまさふみ)さん(神経内科学)は「仮性球麻痺と呼ばれる症状も目立ちます」と話します。のどや口の辺りの筋肉を動かす神経に脳からの指令が届かなくなり、発語がおかしくなって口ごもるような話し方になったり、飲食物が飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)障害が起きたりします。
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