最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
あなたは、整理が得意だろうか。「簡単で効果的な整理方法」を求めて試行錯誤しているかもしれない。上司や同僚から、「君の机の上はどうしてそんなに汚いんだ!」と言われて、困り果てているかもしれない。
私は現在、開業医としての毎日を送っている。言うまでもなく、医療の仕事にはカルテを始めとして、多くの資料が不可欠である。学会などで受け取る資料も少なくない。
また私は大学病院時代から、資料整理に関してはさまざまな試行錯誤を繰り返してきた。もともと整理が好きだったせいもあるだろうが、文献や研究データなどの資料がどんどんふくらんでいき、より効果的で簡単なファイルの方法を模索する必要があったのだ。
しかし、なかなか理想とする整理方法が見つからずにいた。
私がたどり着いた「ダブルインデックス(WI)式ファイル法」は、要するに「袋(封筒)ファイル」の、私なりの究極の姿である。
前著作の『奇跡のファイリング術』(かんき出版)でWI式ファイル法を発表したところ、たくさんの読者から感動と感謝のあたたかい言葉をいただいた。WI式ファイル法は決してメジャーなファイリング方法ではないが、一部の人々にはかなり愛用されている。
今回、ファイリングの手法について再び書く機会を得た。私が実践しているWI式ファイル法を中心に、全力投球でこの本を書き上げた。今回の著作では、WI式ファイル愛用者の声にできるだけ耳を傾けて書いた。とくに、WI式ファイルの作成では、できるだけコストが安くて簡単につくれるようにし、誰もがすぐに始められるように工夫したつもりである。
WI式ファイル愛用者から、理想的な製品版を印刷業者に発注したいがコストが高くつくので、ぜひ商品化してほしいとの便りがたくさん届いた。そこでいくつかの企業に商品化の声をかけたものの、残念ながら商品化には至らなかった。
そこで、今回はコピー機を使った「コピー法」などを紹介した。これで自家製の製品版が可能になる。もちろん、最も簡単な「スタンプ法」だけでも充分きれいなファイルができる。この「スタンプ法」で、WI式ファイル法を使いこなしている愛用者はたくさんいるので、まずこの「スタンプ法」をお薦めしたい。
さらに多かった便りは、資料がたくさん入る蛇腹式封筒がなかなか入手できない悩みだった。何か代用になる方法はないか考えていたところ、垣添始氏が角形2号封筒よりひとまわりサイズが大きい封筒で「蛇腹式封筒」の代用になるファイルをつくる方法を提案しているのを知った。
本書では、さっそくこの方法を紹介させていただいた。蛇腹式封筒が入手できずに不便に思っていた人の助けになると思う。垣添始氏のアイデアには、この場を借りて感謝したい。
もともとWI式ファイル術には、「捨てる技術」がシステムの流れの中に組み込まれている。今回はファイルの山につぶされないように、この「捨てる技術」をわかりやすく前面に押し出して説明した。
今回、WI式ファイルの愛用者でもあるAさんから、「WI式ファイル法に市民権を与えましょう!」と励まされて、私の全エネルギーをかけて書き上げた。昼間は、医師としてトモエクリニックの診療活動をしているので、朝早く起きて執筆し、スイミング中に構想を練り、夜更けに再び執筆する毎日だった。
日々の探しモノでストレスを感じている読者の皆さんにとって、このWI式ファイル法が少しでも役立てば幸いである。さらに朝晩の執筆活動に理解と励ましを与えてくれた最愛の妻と家族に、心から感謝したい。
著者しるす