『天皇と日本国憲法(毎日新聞出版) 反戦と抵抗のための文化論』
[著]なかにし礼
[発行]PHP研究所
ロリン・マゼール指揮によるミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴いた(二〇一三年四月一八日、サントリーホール、朝日新聞社共催)。曲目はワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲~ヴェヌスベルクの音楽、楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死。そしてブルックナーの交響曲第三番(通称「ワーグナー」)であった。
ミュンヘン・フィルは前回、指揮者クリスティアン・ティーレマンとともに来日(二〇〇七年一一月)した時、リヒャルト・シュトラウス、ブラームス、ブルックナーの作品を二日にわたり聴いて、そのドイツ的純血度においてその格調の高さにおいて、比類のない実力をそなえているオーケストラであることを知った。