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君の眠っている力を引き出す35の言葉
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message09 試合をやる前から、勝敗はすでに決まっている。

『君の眠っている力を引き出す35の言葉』
[著]小出義雄 [発行]すばる舎


読了目安時間:3分
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 練習ではそこそこいいタイムを出すのに、いざ本番になると、まったく結果を残せない選手がいる。そういった選手の特徴として、レース前など緊張したり、自信がなさそうにソワソワするものだ。

 選手が本番に弱い一番の原因は、ふだんの練習の心構えにある。厳しいトレーニングを「やらされている」という受け身の感覚でやっているから、どうしても身につかないのだ。だから、練習前の選手たちにはいつもこう言っている。
「いいか、練習は誰のためにやるものでもない、自分のためにやるものだ。優勝したいと思うなら、精一杯やってみたらどうだ?」
「やるだけのことはやったという自信があれば、勝ったも同然だ。試合をやる前から、勝敗はすでに決まっているんだぞ」

 僕は、「最高の練習ができた」、「やるべきことは全部やった」と自分でも満足できるほどの練習を積ませ、選手に自信を持たせることこそ監督の役目だと思っている。

 そうすれば、いざ本番を目の前にしても緊張することはない。


 第37回全国高校駅伝に、念願(かな)って千葉県代表として市立船橋高校男子陸上部を出場させたときのことだ。京都に乗り込んで、
「先生、明日はオレたち優勝するから、今夜は安心して飲んできてください」

 と、大会前日というのに選手たちに夜の街に送り出された。

 優勝するったって、これまで何度も優勝したことがある強豪校がひしめき合う中、ウチは一度も優勝したことがないんだから(笑)。でも、選手たちにはそれだけの練習をさせてきたつもりだし、彼らもその猛練習に耐えてきて自信をつけていたんだな。

 だから僕も、優勝は確信していた。そこで、選手たちの言葉に甘えて()(おん)でしっかり飲まさせていただきました(笑)。

 酔っぱらって帰って翌朝目が覚めると、監督の僕とコーチを残して、選手たちは大会会場にすでに出発したあとだった。もうやることもないから、朝からまたもコーチとビール(笑)。

 それでも、わが市船駅伝チームは初優勝(当時の高校最高記録)。


 選手を自由にのびのびとさせていたから、珍しいチームに見えたんだろう。当時は写真週刊誌にも取り上げられたよ。

 駅伝ランナーと言えば、それまでは五分刈りの見るからにスポーツ少年というイメージが強かったのだが、市立船橋にはパーマをかけたランナーもいた。

 優勝して写真週刊誌には、「イェ~イ!」とカメラに向かってピースサインをおくるパーマ頭の生徒たちの姿が掲載されたんだ。

 ことマラソン以外に関しては、選手たちには自由(かっ)(たつ)な学生生活をおくらせていた。僕は、子どもをカッチリ枠にはめてしまうのはどうかといつも思っている。


 このときは、逆に生徒に教えられてもしている。実は、優勝したときの駅伝のアンカーは、中学校までは剣道をやっていた生徒だった。2年生のとき、
「お前、見込みないから、マラソンはやめろ」

 と言い渡していたんだ。でも、本人は、
「いや先生、面白いからやらせてください」

 というから続けさせてやっていた。そうしたら、その一年後には、優勝チームのアンカーを務めるまでに成長していた。

 人間の可能性を否定してはいけないんだと、思い知らされた出来事だった。

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