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天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで
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歴史
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第五章 妥協の産物、第二段作戦計画

『天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで』
[著]土門周平 [発行]PHP研究所


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 昭和十六年(一九四一)十二月八日から開始された戦争の結果は、計画者たちが最初に予想したものより、はるかにめざましいものであった。


 初期の作戦が各方面とも一段落する十七年三月九日の木戸内大臣の日記に、次のような表現がある。



 午前一〇時四五分より同一一時四〇分まで拝謁す。御召により御前に伺候したるに、龍顔殊の外麗はしく、にこにこと遊ばされ、『余りに戦果が早く挙がり過ぎるよ』と仰せあり。七日、ジャワ方面にてはバンドンの敵軍は降伏を申し出て、目下、軍は蘭印の全面降伏に導かんとしつつあり。スラバヤの敵軍も降伏し、又ビルマ方面にてはラングーンも陥落せりとの御話あり。真に御満悦の様子を拝し、感激の余り、(にわか)には慶祝の言葉も出ざりき。



 まことにこの記述のとおり、好調の戦果であった。だがこのような初期の第一段作戦自体は、予期以上に順調であったが、その次の第二段作戦については、どうするのか、何一つ決っていない、という致命的な問題があった。


 もっとも海軍側には、第二段作戦の構想について一部触れている文書もあったが、具体的な内容ではなかった。それに真珠湾奇襲の戦果が予想外であったために、開戦前に考えた慎重な第二段作戦の構想などは、現実に即さないものと考えられた。いまや既定の方針を(いっ)(てき)して、積極的に進攻し、敵艦隊を各個に次々と撃破する連続攻勢こそが、敵国の継戦意思を喪失させる最善の方策である、と考えられるようになった。


 この海軍の決戦思想に対して、陸軍は、開戦時の構想である長期不敗態勢の確立こそが、第二段作戦の基本的命題であると考えていた。

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