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天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで
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歴史
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第十一章 王様は裸だったトラック要塞

『天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで』
[著]土門周平 [発行]PHP研究所


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 昭和十八年(一九四三)六月三十日、南太平洋戦線で連合軍が、ソロモンと東部ニューギニアの両戦線で二軸同時攻勢を開始したことは前に述べた。


 ここでは日本海軍の太平洋正面最大の根拠地トラックの問題を考えるために、中部太平洋正面における十八年十一月から始まった連合軍の攻勢からみていこう。


 中部太平洋における一般情勢について、「絶対国防圏」の研究の章で概略に触れたところであるが、当時米軍は、フィリピンを一般進攻目標としていた。マーシャルからカロリン諸島を経て直路、またはマリアナ諸島をまわってフィリピンに向う接近経路と、豪州から東部ニューギニア、ダンピール海峡を突破して、ニューギニア北岸をジャンプしつつホーランジア付近まで進み、その後北上してフィリピンへ向う接近経路と二つに分けて作戦を考えていた。前の接近経路を海軍大将ニミッツが、後者を陸軍大将マッカーサーが指揮した。



 中部太平洋についてみる場合、散在する(とう)(しょ)の防衛は、ガダルカナル作戦の経験からみて海軍だけで実施することは不可能であることは明白であった。そこで次のような「中部太平洋方面陸海軍中央協定」が結ばれた。


一、海軍は昭和十九年春ころを目処として、カロリン、マリアナ群島方面における作戦準備を急速に強化す。


  陸軍は所要の陸軍部隊および一部の兵站機関を中部太平洋方面に派遣し、海軍指揮官の指揮下に入らしむる等これが作戦準備に関し海軍に協力す。

二、前項陸軍部隊の派遣輸送は主として陸軍これを担任し、爾後の常続補給(補充)輸送および患者後送は海軍これを担任す。



 この中央協定の最初の二項目から、中部太平洋作戦の特徴をはっきり読みとることができる。すなわち中部太平洋の作戦は、海軍が主役であり、陸軍は脇役として海軍に協力するという相互関係を、はっきり条文に位置づけてある。あたりまえといえば至極当然なことであるが、陸軍はガダルカナル戦以来、補給難のため作戦が成功しないばかりでなく、部隊が潰滅的打撃をうけることが、しばしばであった。


 条文で、海軍の役割達成について明確にするとともに、前にも触れたように、陸軍の「軍」という大部隊を海軍の指揮下に入れたのも、海軍にその責任を感じて、任務達成に努力してもらいたいという意図から出たものである。


 この中央協定の結果、中部太平洋の島々に十九年一月ごろまでに配備についた陸軍兵力の概要は次のようであった。


○ギルバート諸島

マキン    *

タラワ    *

○マーシャル諸島

ビキニ

ブラウン   二コ大隊*

ウィッゼ   二コ中隊

ルオット   二コ中隊*

クエゼリン  *

マロエラップ 二コ中隊

ヤルート   一コ大隊

ミレ     二コ大隊

○カロリン諸島(東部)

トラック   第五十二師団

ポナペ    五大隊

クサイ    四大隊

モートロック 二大隊


 引き続いて十九年六月ころまでに配備

○カロリン諸島(西部)

エンダビー  三大隊

メレヨン   四大隊

ヤップ    二大隊

パラオ    第十四師団

○マリアナ諸島

バガン    二大隊

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