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天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで
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歴史
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第十二章 着想だけで走る大陸打通作戦

『天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで』
[著]土門周平 [発行]PHP研究所


読了目安時間:11分
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 昭和十九年二月十日の連合艦隊主力のトラック基地脱出が、戦争指導上大きな影響を及ぼしたマイナスの決断なら、陸軍側にも戦後の戦史書にあまり取り上げられない、第一線将兵の絶大なる努力にもかかわらず、戦争指導上からは空撃に近い作戦がある。


 大陸打通作戦といわれるもので、その細部を述べる前に、思想的にその背景となった「虎号兵棋」について触れねばなるまい。


 話は少しさかのぼるが、昭和十八年十月下旬に陸軍の人事異動が行なわれた。ガダルカナル作戦の責任をとったかたちで、十七年十二月に作戦課長から陸軍大臣秘書官に転出した服部卓四郎大佐が、十カ月後の十月二十日付で再度作戦課長に補任されたのである。それに関連して真田穣一郎少将が作戦課長から第一(作戦)部長に昇格、第一部長の綾部(きつ)(じゅ)中将が、ラバウルの第八方面軍に持久任務の新作戦方針を伝達に行って帰京するとともに南方軍総参謀副長に転出した。インパール作戦の認可をもらうべくその後上京、自分の後任者である真田と認可するしないで議論したことは、インパール作戦の章で書いた。


 この人事異動で、服部作戦課長、真田作戦部長が実現したことは、太平洋戦史の陸軍側の動きを見るために着目しなければならない事件である。作戦部長と作戦課長といえば、陸軍中央の要職中の要職である。その人の考え方が、多くの場合、大本営の決定となり、実行に移されることになるからである。


 この人事措置をすれば、今後の作戦指導が好転するかもしれない、という期待があればこそ、作戦部課長の更迭が行なわれる、という理論からみると、この二人はよほど陸軍の最高首脳部、つまり東条の信頼が厚かったといえる。


 もっと具体的にいえば、服部が課長時代に担当した開戦の諸作戦の成功にウエイトを置いて評価し、ガダルカナル作戦の失敗は、海軍が悪かったから、あるいは当時の部長である田中新一中将の強力な誤判断があったからで、課長としての服部の負うべき責は少ない、と最高責任者である東条が考えた、と見なければ筋がとおらない。

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