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天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで
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歴史
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第十六章 中国東北部(満州)放棄決断

『天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで』
[著]土門周平 [発行]PHP研究所


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 寺内の老化現象とも思える一徹なレイテ決戦指導の結果、戦局はだれの目にもいよいよ絶望視されるようになった。


 天皇が、どれほどご心痛されたか想像に難くない。そのゆえか、それまでは統帥事項については、皇族であろうと口をはさむことを禁じられていたが、打ち続く統帥部の不手際に、その天皇のご姿勢がくずれることになる。


 昭和二十年一月六日、天皇は、木戸内大臣に次のような打診をされた。

米軍はルソン島上陸を企図し、リンガエン湾に侵入し来るとの報告あり、比島の戦況はいよいよ重大となるが、その結果如何によりては、重臣らの意向を聴く要もあらんと思うが、どうか48


 二日後の八日、リンガエン湾上陸後の戦況上奏に参内した梅津参謀総長に、

兵站はどうなっているか」「制空権はとれるのか49


 と天皇はご下問になっている。俗な言葉で恐縮であるが、統帥上のいちばん痛いところを、ピシャリとついておられるのである。謹厳な梅津が、どのように奉答したか。


 以下、資料に残る戦う天皇の一面を掲記してみよう。


 二月五日、侍従武官長に、

南方方面のわが航空兵力の再建の状況は、どうなっているか50

フィリピンの邦人の現状はどうか」

ヨーロッパのドイツ軍の東西戦線の見通しは、どうか」


 二月十四日、米軍マニラ突入の段階では、

この戦いは頑張れば勝てると信ずるが、それまで国民がこれに堪えうるや否や、それが心配である51


 米軍が硫黄島に上陸した三月七日には、

海軍部隊が、よく陸軍と協同し防備に任じ、敵上陸以後においても、寡兵をもって奮戦力闘して敵を撃破し、全作戦に寄与せることを深く満足に思う52


 米軍沖縄へ上陸確実、三月二十八日。陸海航空の最後の力をふりしぼった「天一号」航空作戦発動について参内した梅津に、

天一号作戦の重要性にかんがみ、違算なきようにせよ53


 四月一日、米軍沖縄上陸に際し、

この戦いが不利になれば、陸海軍は国民の信頼を失い、今後の戦局は憂うべきものがある。現地軍は、なぜ攻撃に出ぬのか。

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