読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1186191
0
天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで
2
0
0
0
0
0
0
歴史
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第十九章 米海軍再建の決断と発展

『天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで』
[著]土門周平 [発行]PHP研究所


読了目安時間:16分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


 米海軍は、日本の真珠湾奇襲攻撃のまえに“完敗”した。その米海軍を再建し、一年もたたないうちに日本海軍を圧迫しはじめ、ついには二年後から中部太平洋の東側から西に向かって、米海軍は日本海軍を圧倒することになる。


 その秘密は何か。機動部隊である。日本海軍は、太平洋でアメリカの機動部隊に敗れたといっても過言ではない。以下その軌跡を追うこととしよう。


 現在使われている兵学的な機動部隊の定義は、次のとおりである。



 本来は空母を含む任務部隊(Task force)、特定の任務達成のために編成された部隊をいい、空母を中心とし、巡洋艦、駆逐艦などによって編成され、航空戦を主任務とする高速艦隊で、作戦行動が迅速柔軟かつ戦況に適応して攻撃力を発揮・維持できることから、この訳語が使用される(国防用語辞典)。



 この点、米海軍側の資料をみると、暫定的とか半恒久的とか、あるいは長期とかの区分はあるが、いずれにしても“一司令官の下に特定な任務、使命を遂行するために編成された部隊”という広い表現をとっている。原語がタスクフォースであることから、機動部隊、任務部隊どちらも同義語ということになる。高速空母機動部隊と丁寧に表現する場合もある。


 米海軍を再建し、機動部隊を編成し運用した人は、アメリカ海軍太平洋艦隊司令長官チェスター・ニミッツだとされている。


 ニミッツは、真珠湾攻撃をうけた三週間後の一九四一年十二月三十一日、大将に昇進してハワイの太平洋艦隊司令部に到着した。こういうときに何を話すべきか、普通の人はいちばん頭を悩ませる問題である。


 主力部隊が潰滅し、指揮官が解任され、前進拠点であるウエーキ島の救援に失敗している。すべての幕僚は、左遷を覚悟しているといった状態である。


 ニミッツはいった。

私は、君たちを完全に信頼している。日本軍の攻撃による被害について、私は君たちを責めるつもりはない。私は航海(人事)局長をしていたので、君たちがこの太平洋艦隊に配置されたのは、その能力が優れているからだということを、よく知っている。


 私は、諸君が私とともに現配置にとどまり、慣れた仕事を続けてほしいと願っている。ただ、どうしてもハワイを去りたい者があれば仕方がない。個人的に希望を聞き、その人の将来についてよく討議し、希望する配置につけるよう、できるだけの努力は惜しまない。だが、幕僚の中のキーメンバーは、ぜひとも私とともに残ってもらいたい」


 率直である。美辞麗句はない。直接聞く者のいちばん関心ある問題に、ズバリ切り込んでいる。この短いスピーチが、真珠湾の士気低下をまず大きく改善させたという。



 ニミッツは、一八八五年(明治十八)テキサスに生まれた。一九〇五年に海軍兵学校を卒業、潜水艦畑を進んだ。米海軍側の資料には、「礼儀正しく、冷静で、自制心に富み、腹を立てたり、大きな声を出すのは滅多に見たことがない。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:6621文字/本文:7817文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次