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天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで
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歴史
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文庫版へのあとがき

『天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで』
[著]土門周平 [発行]PHP研究所


読了目安時間:2分
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 日本政府は、昭和十六年十二月十二日、次のような閣議決定を公表した。

今後戦争の呼称を、支那事変を含めて大東亜戦争と呼称する。大東亜戦争と称するは、大東亜新秩序建設を目的とする戦争なることを意味するものとして、戦争地域を大東亜のみに限定する意味に非ず」


 戦争が終わって、天皇よりもえらい連合軍総司令官が日本に進駐してきて、CIE(民間情報教育局)が仕事を始めると、早速、検閲政策で引っかかった。


 宗教的、超国家主義的教化の排除という目的、ないし語義的帝国主義の行為という理由で、「大東亜戦争」という呼称が禁じられ、代わりに「太平洋戦争」と呼ばなければならないことになった。


 文部省関係の教育畑から、ラジオ等マスコミ関係まで、一九四五年十二月半ばに一斉に導入されたので、日本中が「太平洋戦争」になった。


 一部の反対派からは、語義的帝国主義の行為という批判も出たが、連合軍最高司令部の御威光に勝てるものではなかった。


 だが、少し距離を置いてみると、「大東亜戦争」という言い方は、侵略的排外性はあるものの、あの戦争の中心を、中国と東南アジアにはっきりと、フレーム・アップしていることは語感として確かだし、新しい「太平洋戦争」は、戦争の重心をあきらかに太平洋に移して、日本とアメリカとの間の紛争を第一義としている語感がある。


 もう一つ、「太平洋戦争」は、日本人に自分たちがアジアの隣人たちに何をしたかを、忘れさせるという副作用があるという批判があった。そこで「日中戦争」「十五年戦争」という代案が出たが、どれも一長一短で決定打にはならなかった。

太平洋戦争」の致命的欠陥は、西洋史のネーミングで、パシフィック・ウォーと言うのは一八七九年に起きたチリ対ボリビア・ペルーの戦争を指し、鉱石資源の開発を原因とする四年間の闘争のことであり、南アメリカの太平洋沿岸地域が戦場となった史実が先行していることである。


 そこで困った学界では、東京大学の教授が二人対談して、結局「あの戦争」というのが一番良いということになったと笑い話のような記事が、その頃の総合雑誌にのっている。


 この本の初版が出てから時間がたっているので、若い読者には題名が少し抽象に過ぎるのでは、という意見もあるので、文庫化を機に、色々の長短はあるが、わかり易いタイトルに直した。


土門 周平 

二〇〇三年三月吉日

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