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(2021/11/26 追記)

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エクセレント・サービス お客様感動を生み出す企業風土・組織のつくり方
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ビジネス
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序章 リッツ・カールトンで学んだエクセレント・サービス

『エクセレント・サービス お客様感動を生み出す企業風土・組織のつくり方』
[著]林田正光 [発行]PHP研究所


読了目安時間:7分
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「エクセレント・サービス」という言葉を聞いて、読者の皆様はどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。


 最高級ホテルのサービスや、最高級レストランのサービスなどを思い浮かべるかもしれません。あるいは、一〇〇年も二〇〇年も続く老舗の「心のこもったおもてなし」をイメージされる方もいるでしょう。

「エクセレント・サービス」とは、最上級のサービスのことを指します。お客様に対して真心のこもったサービスをし、それによってお客様に感動していただくほどの質の高いサービスです。


 では、このようなサービスはどのようにしたら実現できるのでしょうか。それを解き明かしていこうというのが本書の役割です。


 私は、藤田観光の太閤園で三二年間勤め、そこで「おもてなし」について学びました。私は自分が藤田観光で勤め上げるものだと思っていましたが、体を壊して入院したことから、五〇歳で会社を辞め、新しい世界に進みました。それがリッツ・カールトン・ホテルでした。


 太閤園で長くホテルマンとして過ごしてきた私は、自分はサービスについてはすべてわかったつもりになっており、自分のサービスについて自信を持っていました。しかし、リッツ・カールトン・ホテルに入ってから、「サービスには、上には上がある」ということを痛感させられました。


 日本のおもてなしと、欧米の高級ホテルのおもてなしには、文化的な違いがあり、どちらが上ということはできません。どちらのおもてなしも、心をこめてお客様に対応するという基本の部分は同じです。きめ細やかさという点でも、日本のおもてなしが欧米式のおもてなしにひけを取っているわけではありません。


 しかしながら、組織として戦略的に「おもてなし」を提供しているという点では、リッツ・カールトンには特筆すべきものがありました。日本のホテルや旅館ではまねのできないくらいの教育を行い、エクセレント・サービスを生み出しているのです。


 それがよくわかったのは、オープンする前のリッツ・カールトン大阪に入社できたからでした。リッツ・カールトン・ホテルは日本への進出ははじめてでしたので、日本で新たに六〇〇人を採用することになりました。二九二室しかないホテルに六〇〇人も募集するのは、日本のホテルでは考えられないことです。最高級のホテル運営をするためには、人手が必要になるため、客室数の倍以上もの人数を採用することになったのです。


 そこに応募したのは約四〇〇〇名以上。世界のホテルマン、日本のホテルマン、その他業種を超えたあらゆる分野から多数の人が応募しました。そこから六〇〇人が採用され、運よく私も採用していただきました。


 オープンまで二年。やるべきことが山のようにありました。長いようでいて非常に短い期間です。その二年間に、リッツ・カールトン・ホテルは、いわば寄せ集めの六〇〇人を育て上げていったのです。


 オープンして二年半後には、リッツ・カールトン大阪は『日経ビジネス』誌や『ダイヤモンド』誌で、関西ではダントツの一位に選ばれるほど高く評価されるようになりました。しかも、わずか二九二室のリッツ・カールトン大阪が、近隣の六〇〇室のホテルを売上げでも上回ったのです。私も長くホテルマンをしてきましたが、ホテルマンから見て、これは信じられないことでした。


 リッツ・カールトン大阪がお客様から高い評価を受けたのは、「エクセレント・サービス」、つまりお客様に感動を与えるほどのクオリティの高いサービスを提供し続けたからです。


 私にとって、さらに驚くべきことだったのは、六〇〇人の寄せ集め集団をわずか二、三年の間に、お客様から最高の評価を得られるホテルマンにリッツ・カールトンが育て上げたことでした。


 従業員教育は、どのホテルでも熱心に行っています。それなのに、リッツ・カールトンは、他のホテルが長い年月をかけて行ってきた教育を凌駕するほどの教育を、わずかな期間で成し遂げたのです。そこには大きな秘訣があります。それが「クレド」と呼ばれるものです。

「クレド」はもともとラテン語で、「信条」などと訳されますが、リッツ・カールトン・ホテルの経営理念のようなものです。「クレド」という経営理念によって、リッツ・カールトンは、わずかな期間に最高のサービスパーソンを、多数育て上げていくことができたのです。本書では、この「クレド」の神髄について詳細に述べたいと考えています。

「エクセレント・サービス」を生み出すには、チームワークも必要です。一人の力ではできることに限度がありますが、チームで行うことによって、より質の高いサービスが可能になります。


 簡単な例をあげてみましょう。


 お客様が誕生日の日に、客室担当のスタッフがお祝いをしたいと思ったとしましょう。チームで行えば、いろいろなことが可能になります。まず、花の担当係の人に頼んで、花を数本用意してもらいます。シェフにも頼んで何かお菓子をいただいてきます。そして、自分で手書きのお誕生カードを書きます。このようにすれば、ささやかながら、お客様の誕生日をみんなでお祝いすることができます。


 ちょっとした心配りなのですが、このようなサービスにお客様は大変喜んで下さいます。「お誕生日おめでとうございます」と言って、カードを渡すだけでも喜んでいただけると思いますが、そこに花を添え、お菓子を一品添えれば、さらに喜んでいただけるのです。一人でサービスをするよりも、チームで協力することによって、お客様に一層喜んでいただけるサービスを生み出すことができるのです。


 このように、リッツ・カールトンはチームワークを重視することによって、より質の高いサービスを提供しています。そのようなチームワークも、わずか数年の間につくり上げたのです。


 リッツ・カールトンのチームワークは、一ホテル内にとどまらず、全世界に及ぶものです。


 たとえば、ニューヨークの「ザ・リッツ・カールトン・ニューヨーク・セントラルパーク」に宿泊中のお客様が「私は、コーラが好きなのでコーラを用意しておいてほしい」と言われたとします。そうすると、その情報はデータベース化されて世界中で共有されます。同じお客様が、インドネシアの「ザ・リッツ・カールトン・バリ・リゾート&スパ」にお泊まりになるときには、部屋の冷蔵庫にはコーラがずらりと並べてあるというようなサービスを行っているのです。


 お客様は冷蔵庫を開けて、「どうして、はじめてきたこのホテルが、私がコーラ好きだということを知っているんだろう」と驚きます。こんな驚きがリッツ・カールトンの「ミスティーク(神秘)」として世界中のお客様に語り継がれています。


 エクセレント・サービスとは、お客様に感動を与えられるようなサービスです。


 それを生み出すためには、従業員一人ひとりの教育も重要ですが、組織的な取り組みも必要になってきます。本書では、いかに組織の戦略としてエクセレント・サービスを生み出していくかという点に焦点を当てていきたいと考えています。


 エクセレント・サービスが生み出すお客様の高い満足感、そして、お客様が喜んで下さる姿を見て、やりがいを見出す従業員の高い満足感。これらは、会社の業績や利益に直結するものです。


 エクセレント・サービスによって、お客様満足度と従業員満足度を高め、一層の企業の繁栄にお役に立てるなら、と思って本書を執筆させていただきました。経営者の方々やマネージャーの方々にお読みいただければ幸いです。

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