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安岡正篤先生に学ぶ [新装版]人間の品格
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生き方・教養
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「機」の重要性

『安岡正篤先生に学ぶ [新装版]人間の品格』
[著]下村澄 [発行]PHP研究所


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 「機」が魅力を増大させる


「人間に最も大事なのは機だ。機とは漢方でいえばツボとか勘所というもので、そこをはずすと物事が活きてこないという一点をいう。生活にこの機を活かしてとらえることが、生の飛躍につながる」


 これは安岡正篤先生の語録の一つである。


 確かに機というものはある。それをはずすとどうしようもなく落ち目になってしまう。だが、それをピタッとつかまえると、驚くような飛躍につながっていく。その分かれ目となるタイミング、ポイントのようなものである。それは成功不成功といった現象だけにとどまらない。機をはずした人は見すぼらしく落ちぶれていき、機を見事にとらえた人は一段と大きくなり、魅力を増していくものだ。


 室町幕府を開いた足利尊氏はその好例だろう。


 南北朝時代を舞台にした古典『太平記』によると、一度決起して敗れ、隠岐島に流された後醍醐天皇が、島を脱出して船上山に拠り、全国に北条氏の鎌倉幕府打倒の檄を飛ばす。この時、尊氏は天皇側を討伐すべく軍勢を率いて鎌倉から京都に向かっている。そして丹波の篠村で天皇方に寝返り、幕府打倒に立ち上がる。このタイミングが何とも絶妙だった。これより早く寝返っては逆に幕府軍に攻め滅ぼされてしまう危険があった。また逆にこれより遅れると、討幕がむずかしくなり、尊氏は幕府側と見なされ、天皇方に加われない可能性があった。そのギリギリのところで尊氏は決断したのである。まさに機をとらえたというべきだろう。


 足利尊氏が機をとらえたのはこれだけではない。北条の残党が攻め込んできて、鎌倉を守っていた弟の直義がピンチに立たされる。尊氏は直義を救うために後醍醐天皇の許しを得ないで京都を離れ、鎌倉に馳せ帰って北条の残党を蹴散らす。そしてすぐ京都にもどれという天皇の命令を無視して鎌倉に居座り続ける。それは尊氏の気持ちが後醍醐天皇の政治から離れてしまったからなのだが、この態度は天皇に対する明らかな反逆である。そこで天皇は新田義貞に尊氏討伐を命令する。尊氏は朝敵になってしまったのだ。尊氏は思い悩み、一度は自殺さえ決意する。

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