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親は子に何を教えるべきか
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教育
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あとがき

『親は子に何を教えるべきか』
[著]外山滋比古 [発行]PHP研究所


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 こどもを育てるのは文化である。


 家庭における子育ての文化が衰え、変化を見せて、いろいろな問題がおこるようになり、しつけの重要性が改めて言われるようになった。文化は伝承されるもので、家庭教育を支えてきた年寄りが、幼いこどもといっしょに暮さなくなったことが、この変化の原因であろうと思われる。また、こどもの数がすくなくなったために、親としての経験の蓄積が浅くなったのも無関係とは考えられない。


 家庭の教育力が小さくなれば、その分だけ学校教育への依存が高まるのは自然である。もともと家庭で教えるべきことで、かつては教えていたことまで、いつしか“教育”ということにして、学校のすべきことのようにされてきた。それにともなって、すべて、教育は学校でするもの、してもらうもの、すべきもの、という考えが広まってきた。いかにも教育を重視しているようであるが、その実は親の責任を放棄し、責任を転嫁するものだと言うほかはない。


 いくら学校でしてもらいたいと思っても、学校ではおそすぎることが、きわめて多くある。学校へ入るまえ、家庭でしっかり教えられなければ、いったいだれが、どこでこどもをはぐくんでいけばいいのか。教育を知識の習得、したがって学校教育に限定しようとするのは教育の普及にともなって広まった風潮である。


 人間形成のための基本を学ぶのは、早ければ早いほど効果がある。幼いときにつちかわれたことがその人間の一生を決定するのは、昔の人が「三つ子の魂百までも」と言ったとおりである。こどもにとって“三つ子の魂”を学ぶのが家庭であることは言うまでもない。こどもがまずもっとも大切なことを学ぶのは“家庭という学校”だということになる。父親、母親は、さしずめ“家庭という学校”の先生であるが、いわゆる学校の先生と比べても、教師としての自覚がない。そのための勉強もしていなければ、経験もないことが多い。それでいて、それにほとんど気づいていないのである。ことにお母さん先生の役割はたいへん大きい。生れてすぐ赤ん坊の先生にならなければならないのだが、その先生になるのには生れてからでは手おくれである。あらかじめ勉強しておいてもらわなくてはならない。


 母親は母乳だけでなく、心のかて、“母乳語”を与え、“離乳語”を教えてこそ人間の子育てである、というのが、この本のテーマのひとつである。またこどもの教育は早いほど効果があるというのもくりかえしのべられている本書の基調である。その点を強調するため、同じことがあちらにもこちらにも出てくるが、お目ざわりの点はおゆるしいただきたい。


 文庫本に収めるに当って、前の版に一部加筆と修正を加えた。本になるまでにPHP研究所出版部の大越昌宏氏にお世話になった。



 一九九一年 盛夏

外山滋比古 

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