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超・知的生産術 頭がいい人の「読み方、書き方、学び方」
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生き方・教養
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第5章 知的生産で世界をつくる

『超・知的生産術 頭がいい人の「読み方、書き方、学び方」』
[著]小川仁志 [発行]PHP研究所


読了目安時間:20分
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創造のための3ステップ

──思考の探検家は世界をつくる




 第1章で、創造の大切さを強調しました。それは哲学の根幹といってもいいでしょう。哲学とは世界の有意味化であり、イコールそれは概念の創造にほかなりません。哲学する人は、皆思考の探検によって概念の創造を行います。そうして世界の意味を自分なりに作り上げていく。哲学はそんなすごい力をもっているのです。


 でも、実は哲学の意義はその次元にとどまりません。哲学にはもっとすごい力が秘められているのです。それは世界をつくる、つまり世界そのものを創造するという力です。哲学によって物事の意味を作り出す。ここまではいいと思います。それがものすごくインパクトのあるものであったり、多くの物事を首尾一貫した思想によって意味づけていったようなとき、大変なことが起こるのです。


 それは世界の土台の転換です。たとえば、フランスの哲学者ルソーが『社会契約論』を書いたことで、フランス革命が起こり、王政が人民の政府に転換したのです。その影響は他の国にも及びました。あるいは、ドイツの哲学者マルクスは、『資本論』を書いて、世界の半分を社会主義の国に変えてしまいました。


 一人の哲学者の探検が、彼らの身の回りの物事の意味を創造するだけでなく、この地球上の広い範囲において新しい世界の創造を行うことにつながったのです。こんなにすごいことがあるでしょうか! 哲学は思考の基礎くらいに思われています。それは間違いないのですが、実際に世界の土台を転換する力まで持っているとは、おそらく皆気づいていないのではないでしょうか。


 私はその世界創造のことを、「響造」と呼びたいと思います。なぜなら、もうこれは創造の域をはるかに超えて、その創造の影響を地球規模に及ぼしているからです。創造を響き渡らせるというふうにとらえてもらってもいいかもしれません。異なる考えや価値観をもった人の心にも響くように訴えるということです。


 先ほどグローバル社会における創造の意義についてお話をしましたが、創造によって世界を変えようとするとき、それはもう響造の次元に突入しているのです。いや、その次元までいかないと、世界に影響を与えることなどできません。いくらいいアイデアも、広げることができなければ、宝の持ち腐れです。世界の土台を転換するどころか、やがて消えてしまうでしょう。


 そしてもう一つ大事なのは、創造から響造へと広がるための潜在力として、「貯造」の段階が求められるということです。これも私の造語ですが、いわばインスピレーションを貯めておく段階です。貯蔵だと単に貯めて、しまっておくイメージになるので、あえて貯造という表記にしています。貯めると同時に造るという営みがないとだめだと思うのです。


 インスピレーションは無から生じるものではありません。どこかに源泉があるのです。それは日々の経験だとしか考えられません。ただ、その経験を漫然と貯めているだけの人と、造ることを意識して生きている人とでは、大きく変わってくるのです。普通の人は経験するだけで終わりです。でも、アーティストは経験を製作に生かそうとしたり、少なくともそのためのストックにしようという意識があります。そこが創造できる人とそうでない人との違いになってくるのです。

「ワラスの4段階」という創造に関する理論があります。創造のためには、〓準備段階、〓孵化段階、〓啓示段階、〓検証段階という四つの段階を経る必要があるというものです。このうち〓〓が大きく分けて準備段階になります。〓は文字通りインスピレーションを湧かせるための事前準備です。

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