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(2021/11/26 追記)

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【小さな会社】 ネット通販 億超えのルール
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ビジネス
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第2章「9マス自分史の箱」を使ってあなたの会社のUVPをつくる!

『【小さな会社】 ネット通販 億超えのルール』
[著]西村公児 [発行]すばる舎


読了目安時間:1時間12分
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~眠れる価値を再発見する~


01 UVPをつくり、統一された「売れる仕組み」を設計する


◆勝利のための武器を手に入れろ!



 小さい会社は、勝つための武器を手に入れなければ大手通販会社に負けてしまいます。


 第1章で詳述した「3つの数字」や、単品リピート通販モデルで成功できる商品選び、リピートシステム、ドライテストなどもそうした武器ですが、なかでも最大の武器となってくれるのが、自社独自の価値観や世界観、商品コンセプトなどのUVP(独自の価値提案)です。


 どの競合他社とも異なるUVPをつくることができれば、自然とお客さまの「共感」や「感動」が生まれ、小さな会社でも大手通販会社と戦うことが可能になります。


 第2章から第3章にかけては、そのUVPの役割やつくり方についてじっくりと解説していきます。順番に取り組んでいけば、誰でもUVPをつくれるようにしてありますから、ぜひ、みなさんも取り組んでみてください。


◆UVPは5つの要素で構成される



 さて、私はUVPを大きく5つの要素に切り分けて考えています。「誰が言うのか?」「何を言うのか?」「ストーリー」「ギフト」の基本の4階層と、それらすべてを取り囲む「世界観」の5つの要素です(次図参照)。



 ベースにあるのは「誰が言うのか?」で、経営者である社長自身が、どんな夢や希望、不満や不安、あるいはどんな思想や嗜好を持った人物であるのか、の部分です。


 なお、大きな企業では社長というよりも「会社として」どう考えているかが重要になりますが、小さな会社の場合には、ほぼ社長と会社はイコールのものと考えてかまわないでしょう。


 次の段階の「何を言うのか?」は、その社長(会社)が、お客さまに対して商品やサービスを通じて提案する内容そのものです。お客さまのどんなニーズやウォンツに対して、どんな解決策や未来を提示するのか、を示したものです。

「ストーリー」は、その「誰が言うのか?」「何を言うのか?」を、物語形式に落とし込んだもの。前述したように、ストーリーには共感や感動を生む強い力があるので、UVPには欠かせない要素だと考えています。


 そして「ギフト」とは、社長や会社が今後、お客さまにどんな価値を提供していくのかをシンボル的に表したものです。

「誰が言うのか?」「何を言うのか?」の2つがまず基本にあって、それを表現する要素として「ストーリー」と「ギフト」がある、と考えればいいでしょう(この視点から4つの階層を図表化すると、次図のようにも表せます)。



 また、これらの4階層すべてを貫くもの、あるいは取り巻くものとして「世界観」があり、これによって、UVPを構成するすべての要素・メッセージに統一感を与えます。


 ちなみに「世界観」は、社長自身のバックグラウンドやライフスタイル、社長の心理学的な型などの要素から自ずと構成される、一定の価値観と言い換えることもできるでしょう。


 これらの5つの要素をすべて埋めてあげることで、競争力があり、自社の特性にも合致した唯一無二のUVPを自然につくれるのです。


◆ビジネス全体を、UVPに立脚して組み立てよう



 UVPを確立できたら、商品のコンセプトづくりにもその価値観や世界観を投影・反映させていきます。


 自社の打ち出しているメッセージに沿った商品やサービスでなければ、お客さまはそこに違和感やズレを感じてしまいます。逆に、UVPに合致した商品やサービスであれば、それ自体が、さらに自社のUVPを強化してくれます。


 UVPに合わせて商品コンセプトをつくり、ドライテストをとおしてMRや「売れる通販指数」などを確認。問題がなければ正式に商品化して、それらの商品で集客を担当するフロントエンド商品(売れる商品)と、リピート客向けに提供してより大きな利益を生んでくれるバックエンド商品(儲かる商品)のファネル(漏斗構造)を構築します。


 これが、小さなネット通販会社が成功するための最短ルートを爆走できる売り方、ビジネスモデルだと、私は自信を持って断言します(次図参照)。



 なお、最初にこの仕組みができてしまえば、あとはそれをメンテナンスするだけで、社長自身が大きく動かなくても社員だけでネット通販ビジネスを運営できる、という副次的メリットも生まれてきます。



02 UVPに基づいたビジネスモデルなら大手企業にも勝てる戦略を描ける!


◆唯一無二の価値を提案できなければ必ず負ける



 すでに何度か述べているように、UVPをつくることによる最大のメリットは、「他社と比べられない、強烈な差別化ができる」ということにあります。


 小さなネット通販会社が、商品の特徴や性能、価格などで他社との差別化をするには限界があります。そのため、大手通販企業が参入してきた瞬間に、小さなネット通販会社は資金力、社会的影響力、信用力などの面で競争に負けてしまいがちです。


 もともと、小さなネット通販会社は大手の通販企業に比べて社会的信用力が少ないですから、たとえ価格が安く、性能のよい商品を販売したとしても、そう簡単にはお客さまに選ばれません。また、お客さまにすれば、聞いたことのない小さな会社が売っている商品を買うより、名前を聞いたことのある大手通販企業から買うほうが安心できます。そのため、同じような商品なら、小さな会社は大手通販企業に勝つことは決してできないのです。


 しかし、UVPをしっかりと構築し、市場の中での唯一無二の価値をつくり出せていれば、たとえ大手が参入してきて、特徴や性能、価格などの面で優位な類似商品を投入してきたとしても、お客さまに「どうせなら、あの会社から買いたい」と思ってもらえ、生き残ることができます


 これが、UVPのもたらす最大のメリットです。UVPの構築は、小さなネット通販会社が競合他社との競争に巻き込まれることなく、売上を1億、10億、30億と順調に伸ばして成功できる唯一の手段だと私は思っています。


 よって、特に次のような課題に悩んでいる方の場合には、自社のUVPをつくることで課題の解決につながる可能性が大きいでしょう。


・広告費をかけて集客しているが、売上がなかなか上がらない

・商品点数ばかり増えてしまい、管理しきれない

・薬機法の縛りでうまく商品の強みを表現できない

・自分のこだわりをうまくビジネスにつなげられていない

・商品の特徴や性能、価格などで他社との差別化を図っているが、うまくいかない

・これからネット通販を立ち上げようと思っているが、何から始めればよいかわからない など


◆相対比較では足りない



 とはいえ、読者のみなさんの中には、「UVPをつくって商品コンセプトに投影するだけで、どうしてそこまで強固な差別化ができるのか?」と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。


 それは、UVPが絶対比較だからです。


 たとえば、マーケティング用語にはUVPとよく似た「USP」という言葉があります。Unique Selling Propositionの略で、「独自の売りや強み」と訳されるマーケティング用語です。


 これだけだとUVPとほとんど変わりないようにも感じられますが、USPにはSelling(販売上の)という言葉が入っているとおり、特に商品を売るとき(お客さまからすれば買うとき)に、お客さまが他の類似商品と比較して、「こちらの商品のほうが、ここが優れているから買おう!」と決める要素のことを指しています。


 一般的には、ネット通販ビジネスでも、このUSPをしっかり打ち出すことが大事だとされます。


 しかし、USPはあくまで比較対象(競合商品)が存在する相対比較です。そのため、USPとして訴求するものは、どうしても「有効成分○○を100g配合!」とか、「業界最安値」などと、商品の特徴や価格、性能などの表面的な内容に偏ります。そうでなければ、そもそも比較ができないからです。

「A社の商品とB社の商品で比較した結果、A社のほうが有効成分の含有量が多く、しかも安いから、A社の商品を買おう」という具合になるわけです。


 しかし、こうした相対比較では、小さな会社が大手企業に勝つことはできません


 社会心理学者で、世界中でロングセラーとなっている『影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか』(誠信書房)の著者でもあるロバート・B・チャルディーニは、『Pre-Suasion』(日本語版未発行)という書籍の中でその理由を次のように説明しています。


 同氏によれば、人は何かを判断するとき、選択肢が多すぎたり、その分野に対する知識がないと、無意識のうちに次の4つの要素の順に影響され、判断を下すとのこと。


①エビデンス

②パワー

③ストーリー

④文化・カルチャーの世界



 順に説明をしていきます。


 このうち、もっとも大きな影響を与えるのは「エビデンス」です。ここで言う「エビデンス」とは、なんらかの実証結果のことを指します。


 たとえば、薬の商品パッケージにさまざまな宣伝文句が書かれていても、それが「この薬はよく効きます」といった根拠に欠けるものであれば、多くの人はそんな自画自賛の宣伝文句を信用しません。自社の商品を「よい」と宣伝するのは当たり前のことなので、それだけでは信憑性に欠けてしまうのです。


 そうした宣伝文句や商品そのものに信憑性を与えるのは、「1000人中998人に効果があった」「当店薬剤師おすすめNo1」「アマゾンランキング医薬品カテゴリー第1位」といった第三者による実証結果です。あるいは、科学的な手法による実験結果なども、このエビデンスに当たります。


 こうしたエビデンスが、「お客さまに行動させる力」を一番持っていると、ロバート・B・チャルディーニは言います。


 そして、そのエビデンスの次に、お客さまに強い影響を与えると同氏が言うのが「パワー」です。


 ここで言う「パワー」とは力関係のこと。たとえば同じ商品でも、「○○大学の△△博士が推奨!」と、社会的信用力の大きな人の推薦がついていると、その商品は無条件でよいものだと感じてしまいます。同じように「厚生労働省認定」といった国の機関名が入っていたり、「スイス製腕時計」といった印象のよい国名、または「トヨタ」「資生堂」など大きな会社の名前がついているだけで、人はその商品を信用することがよくあります。


 読者のみなさんも、これまでの自分の買い物を振り返ってみれば、この2つの要素に大きく影響されていたことが多かった、と思い当たるのではないでしょうか?


 ただ、このエビデンスとパワーを使って商品を販売するには、資金力や社会的信用が必要です


 前者について言えば、特に科学的な実験で薬剤やサプリメントの効能を証明するには、最低でも数千万円の資金が必要でしょう。顧客の購入や専門家の推薦による実証についても、新商品で上位をとるには大きな広告費が必要となります。


 後者について言えば、その性質上、大手企業であればそれだけで非常に有利です。大手というだけで社会的信用が生まれますから、小さな会社とはパワーが比べ物になりません。


 つまり、大手企業にしか、このエビデンスやパワーを使った売り方はできないのです。


◆同じ条件で戦える土俵を選べ!



 では、小さなネット通販会社が、エビデンスやパワーを使って商品を売り出すのは難しい? 実は、そのとおりです。そのため、小さな会社はそれ以外の要素を使って、お客さまに影響力を与えていくべきです。


 では、エビデンスとパワーに次いでお客さまに影響を与える要素として、ロバート・B・チャルディーニが挙げているのは何でしょうか? 


 そう、「ストーリー」と「文化・カルチャーの世界」です。


 エビデンスやパワーでは大手企業に有利なので、たとえ中小企業がこれらを重視したとしても、大手企業の参入ですぐに負けてしまいます。しかし、ストーリーや文化・カルチャーの世界ならば、小さな会社でも大手企業相手に同じ条件で戦うことができます


 たとえば、アップル社の製品を考えてみてください。新しいiPhone(アイフォン)が出たときに、アップルファンの方が、他社のスマートフォンと性能や価格を比べて購入したりするでしょうか?


 もしアップル社が「普通」の会社であれば、こんな具合の謳い文句を使うでしょう。

「私たちはすばらしいコンピューターをつくっています。ファッショナブルなデザイン、操作はシンプルでユーザーフレンドリー。どうですか?」と。


 しかし、アップル社はこう提案します。

「私たちは世界を変えられると信じています。そして、常に既存の考え方とは違う考え方をします。世界を変えるために美しいデザイン、かつ機能性に優れた製品を世に送り出そうと努力するうちに、今回このような製品ができ上がりました。おひとついかがですか?」と。


 私もそうですが、アップルファンの人の選択肢はiPhoneだけでしょう。きっと、他社のスマートフォンは眼中にありません。実際、私も性能や機能、価格などで他社製品と比較したことは一度もありません。恐らくは、探せばiPhoneよりも性能のよいスマートフォンもあるとは思いますが、たとえそれでも私はiPhoneを選びます。

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