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雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 日本人が知らない! ユダヤの秘密
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雑学
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第5章 ユダヤの宗教

『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 日本人が知らない! ユダヤの秘密』
[著]佐藤唯行 [発行]PHP研究所


読了目安時間:32分
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5-1 安息日の戒律

〓現実の世界からユダヤの世界に戻る週1度の安息日は、ユダヤ人が2500年もの間守ってきた、最も大切な日です。


〓一見不合理と思える戒律


 2500年前から厳格に守られてきたユダヤ教の戒律に、安息日(ヨム・シャバット)の定めがあります。安息日は、神が天地を創った時、日曜から始めて金曜の夕方には仕事を終え、丸1日休んだ故事にちなんだものです。それゆえ、ユダヤ教の安息日は週に1度、金曜の日没から土曜の日没直前まで丸1日続きます。この日は労働、遊び、旅行が禁じられていることはもちろん、火も電気もつけてはならず、車に乗っても、金銭を扱っても、エレベーターを操作してもいけません。そのため正統派ユダヤ教徒家庭ではスイッチを押さなくても自動的に各階止まりで開閉するエレベーター、開閉しても点灯しない冷蔵庫、夕方7時に点灯し、夜12時に消灯するタイマーつきの照明器具など、日本人にとっては不合理としか思えない様々な仕掛けがあります。


 さらに安息日に働けないユダヤ人の中には、雑用をするキリスト教徒(シャバット・ゴイ)を雇う家もあります。第1次ブッシュ政権時の国務長官、黒人のコリン・パウエルは、少年時代、ユダヤ人が多いサウスブロンクス地区に住んでおり、この雑用で小遣いを稼いだそうです。

〓ユダヤ人を生き残らせた仕掛け


 ユダヤ人にとり、安息日前の6日間は安息日を迎える準備にすぎません。それほどこの日が大切にされたのは、安息日こそが、他民族が発する同化の圧力に抗して、ユダヤ人をユダヤ人として生き残らせた最も大きな仕掛けだったからです。


 なぜ安息日がユダヤ人を生き残らせたかというと、家族が集い、ひたすら祈り、神を称えるこの日は、まさにユダヤ的な1日だったからです。現実の世界から1週に1日、必ずユダヤの世界に戻ることを2500年も繰り返すことで、ユダヤの世界がしっかり守られてきたのです。安息日が続く限り、ユダヤの世界は滅びることはないでしょう。



5-2 ユダヤ教、3つの祭りのコンセプト

〓ユダヤの子供たちは、ユダヤ教の3つの祭り「ペサハ」、「プリム」、「ハヌカ」を通して、重要なニュアンスを学び取ります。


〓「神の選民」


 ユダヤ教の祭りには、幼いユダヤの子供たちに3つの重要な教えをすり込む目的があるといわれています。


 ペサハ(過越の祭り)は、モーセの出エジプトを許さないファラオに怒ったユダヤの神が、エジプト人の(うい)()をみな殺しにした故事にちなみます。この時、ユダヤの家々では難を逃れる目印として戸口に子羊の血を塗り、天罰を免れたのでした。この祭りは「自分たちが神に選ばれた選民であること」を教えるものです。エジプト脱出の緊迫した中、酵母菌を入れずにパンを焼いた故事から、この祭りでは酵母菌を使わないマッツオというクラッカーのようなパンを食べます。

〓「非ユダヤ人に用心せよ」「同化は悪しきもの」


 プリム(仮装祭)は、古代ペルシアの悪大臣ハマンが企てたユダヤ人虐殺を、王妃エステル(ユダヤ教徒)が阻止した故事を祝う祭りです。祭りの名はハマンがくじ(プル)で虐殺日を決めたことに由来し、コンセプトは「非ユダヤ人には用心しなさい。警戒心を解いてはいけません」というものです。子供たちはハマンタシェンというクッキーを食べ、聖書の「エステル記」を主題にした寸劇や仮装行列を楽しみます。


 ハヌカ(宮潔めの祭り)は、エルサレムの神殿にゼウス像を祭り、ヘレニズム化政策を断行したマケドニア人に対して、ユダヤ人が反乱を起こした故事にちなむ祭りです。彼らを駆逐したユダヤ人たちは、ゼウス信仰で汚された神殿の「宮潔め」を行ったのです。この時、神殿の燭台を灯すオリーブ油がわずかしか残っていなかったのに、不思議と8日間も燃え続けました。この奇跡を記念し、独立回復を喜び、8日間火を灯して祝うようになりました。そのため、灯明祭の別名があります。子供たちはこの奇跡の油にちなんで、揚げパンを食べます。この祭りのコンセプトは「同化は邪悪なことだ」と子供たちに教えることにあります。



5-3 企業家志向の文化を育んだユダヤ教

〓清貧を激賞した仏教、キリスト教に対して、ユダヤ教は営利欲求を肯定。この教えが、ユダヤ人を企業家として成功に導いたのです。


〓営利欲求を「よきもの」とみなすユダヤ教


 ユダヤ教が営利欲求を肯定する宗教であったという事実は、ユダヤ人を企業家としての成功に導く上で、決定的に重要な要因でした。


 ユダヤ教徒が守らなければならない律法に定められた613の戒律のうち、実に120以上が、人が生活の糧を得る方法、貨幣を倹約し、貯蓄し、それを使用する仕方についての規定です。ユダヤ教では、人間の営利欲求は神が創り出したよきものと考えられたのです。さらにユダヤ教は、その開祖が富裕者であった唯一の宗教なのです。ユダヤ教の祖アブラハムはおびただしい羊、山羊の群れと、金銀財宝を所有していました。彼の子孫イサクとヤコブについても同じです。

〓清貧を激賞する仏教、キリスト教


 ところが仏教の創始者ブッダは、悟りの道を追求するために国王であった父の宮殿を捨て、乞食同然の身となったのです。仏教では、清貧という生き方だけが、富の誘惑から我が身を守りうる唯一の生き方とされたのでした。キリスト教もまさに清貧を激賞しています。


 それはイエスの生涯が、ベツレヘムの飼葉おけから始まったことに象徴されています。イエスとその弟子たちもまた財産なき(もしくはそれを捨てた)人々でした。彼らは富める者が天国へ行くことは、ラクダが針の穴をくぐり抜けることと同じくらい難しいことだと説いたのです。


 この蓄財と営利欲求を否定する「清貧」という概念は、ユダヤ教には存在しませんでした。

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