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ヅラが彼女にバレたとき
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ルポ・エッセイ
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第4章 玉砕! 初めてのお見合いパーティ

『ヅラが彼女にバレたとき』
[著]藤田サトシ [発行]すばる舎


読了目安時間:14分
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「お見合いパーティというのはどうかしら?」


 結婚相談所のおばさんはニコニコしながら、参加を勧めてきたのである。

「お見合いパーティ?」

「そう、たくさんの女のコと一度に知り合うことができるのよ」


 この一言が未知の世界への一歩だったのだ。

 たくさんの女のコと一度に……そりゃたしかに魅力的な企画かもしれないが、大体、私がパーティで女性に上手に話しかけられるとは思えない。いくらヅラッド・ピットに変身したからといって、まだそんなに女性慣れしていないのだ。

「ね! パーティに参加してみましょう!」

「い、いや……もう少し考えさせてください」


 私はあわてて断った。

 が……。

「そんなこと言ってちゃ、いつまで()っても良いお相手が見つからないわよっ!」

「はあ」


 こうして、私はお見合いパーティ参加を余儀なくされたのであった。

 おばさんの勢いに気圧(けお)された感じである。


 すでに書いた通り、私は市の結婚相談所から民間の『○○連盟』へと所属団体を鞍替(くらが)えしながらお見合いを続けていた。その後もその手の団体を渡り歩いてお見合いを繰り返していた。出会う女性の数を増やせば、いつかは理想的な相手が見つかると思っていたからである。


 ところが、なかなか理想の相手には巡り会えない。気がついたら、都内の結婚相談所は公も民も一巡してしまっていたのである。

「もう、完全に手詰(てづ)まりだな!」


 そんな時に、相談所のおばさんから、お見合いパーティへの参加を持ちかけられたのだ。


 このころ、私が登録していた団体は、会員一人ずつに担当のお見合いおばさんが付いていた。会員の結婚が決まると、担当のおばさんに「成功報酬」が渡される仕組みになっている。当然、おばさんは担当会員が結婚できるように様々な努力をしてくれる。お見合いパーティへの参加というのもそのひとつであった。

「でもなー、オレ、恋愛経験ないしなー、女性と話すのもニガテだしなー」


 おばさんの勧めで参加を決めてからも、私の心は迷い続けていた。「参加してみたらどう?」なんて軽く言われても……そーゆう場所に来る人々は皆が恋愛クロウトのように思える。


 恋愛経験がほとんどない私がクロウトたちと()していけるワケがないではないか。幼稚園に行けないいじめられっ子のように「どうしようかなあ」と情けない言葉が口に出る。


 1対1の席が設けられたお見合いならなんとかなるが、パーティとなるとまったく自信がない。会っていきなり間の抜けた話をしてしまい、相手から白い目で見られる屈辱を味わうであろうことが容易に想像できる。
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