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ヅラが彼女にバレたとき
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ルポ・エッセイ
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第8章 刑事がウチにやって来た!

『ヅラが彼女にバレたとき』
[著]藤田サトシ [発行]すばる舎


読了目安時間:15分
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 忘れもしない1999年4月某日、おだやかな日曜日の昼時……私の家に一本の電話が掛かってきた。

「フジタサトシさんですか?」

「あ、はい」

「警視庁三鷹警察署の××と申しますが」

「けいさつ……?」


 これが騒ぎの発端だった。


 今までの人生で警察のお世話になったことなど一度もない。まさか、ヅラを被っていることが身分詐称になるワケもなかろう。


 大体、警察官と話すこと自体久しぶりだった。以前、交番に行って「ナンパって罰則規定はあるのか?」と尋ねたことがあるが、彼らと話すのはそれ以来である。

「実は、殺人事件が起こりましてねぇ」


 刑事はとても冷静な口調で言った。なんでも、パーティに参加していた女性が殺され住まいに火を付けられた事件が起きたというのだ。

「心当たりはありませんか?」

「いや……そう言われても」


 自慢じゃないが、オンナ殺しと言われることはあったとしても、本当に殺すワケじゃない(いや、オンナ殺しってのは実際に言われるのではなくて私自身の願望だけど)。

「できれば、ちょっとお話を聞かせていただきたいんですけどね。これからうかがいますので、署のほうでお話を」

「こ、これからですか!?」


 もう、ビックリである。心当たりがまったくないのだから逃げる必要もないのだが、それでも何だか不安になってくる。

「それでは、今からうかがいますので」


 刑事は一方的にそう言うと電話を切った。

(どういうことなんだろう……?)


 電話を置いた私がボーッと考えているいと、母が声をかけてきた。

「どうしたの……?」


 私の態度から何かを察知したらしい。電話対応のコトバの端々から、相手が警察だとうことも解かっているようだ。

「ちょっと……これから刑事のところへ行ってくる」

「え!? 戻って来れるんだよね」


 真顔で心配されてしまった。

「当たり前だよ」


 そう言うと、私は警察が来る前に、玄関から外に出てみると、すでにクラウンが横付けされていた。どうやら刑事はクルマの中からケータイでウチに電話してきたようだ。私は刑事にうながされてクラウンの後部座席に乗り込んだ。

「突然、すいませんね」

「いえ……ホントに突然なんで驚いてしまって」


 クルマの中は散らかり放題で掃除をしている形跡はまったくない。税金で買ったクルマなんだから、もっとキレイに使えよと言いたくなる。


 それにしても、警察車両というのはどうして高級車が使われているのであろうか。先日も覆面の丸目(ヘッドライトが丸いもの)のベンツEクラスを見たばかり。刑事が外車に乗る理由を聞かせてほしいものだ。

「名刺をいただけますか?」


 ビビリながらも名刺を要求してみると、刑事はニッコリ笑って名刺を差し出した。

(警視庁三鷹警察署暴力団対策係……!?)
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