読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-2
kiji
0
0
1191170
0
ヅラが彼女にバレたとき
2
0
0
0
0
0
0
ルポ・エッセイ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第9章 ヅラッド・ピットの初ナンパ

『ヅラが彼女にバレたとき』
[著]藤田サトシ [発行]すばる舎


読了目安時間:12分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


 地下鉄に乗ったところ、ニョッキリと伸びた純白のふくらはぎが目に飛び込んできた。

 銀座で行なわれたパーティが終わり、終電間際の地下鉄丸の内線に乗り込んだ時のことである。ふくらはぎの持ち主は私の斜め前に長い脚を組んで座っていた。

(クソッ! 真正面に座っていればもう少し奥まで見えたのになあ!)


 と、スケベな後悔をしながら視線を上げると、ロングヘアの典型的なオトコ好きのする顔立ち。どこのパーティに出してもナンバーワンに間違いないだろうと思われる2627歳ぐらいの女性だ。腰まで届く長さのストレートヘアをしきりにかきあげる。


 まるで「ワタシって、いいオンナでしょう」といわんばかりの仕種だ。実際、車内には彼女が発するフェロモンが強烈に(ただよ)っている。


 柔らかそうなふくらはぎをしばし眺めながら、私はパーティのことをぼんやりと考え始めた。


 殺人事件騒動があってからパーティに行くのがあまり楽しくない。でも、パーティに行く以外に女性と知り合う方法はない。だから、仕方なしに通い続けているが、会場で女性を口説く意欲も薄れがちだ。


 パーティ通いを始めて、すでに数年……女性に対して(おく)することはまったくなくなったし、女のコを喜ばせるためのテクニックも身につけた。師匠には及ばずとも、一般の男性よりは女性を口説くことがうまくなっている。


 しかし、口説きの成功率は上がっても、逆にそうなることで、「このヒトと絶対、結婚したい!」と思える女性がなかなかいないということに気づき始めた。そこへきて、今度の殺人事件騒動である。

(もう、本当にパーティ通いはやめちゃおうかな……)


 優雅に組みかえる女性の脚を眺めながら、そんなことを考えていた。


 ふくらはぎの持ち主は、艶然(えんぜん)とほほえんでいるようにも見える。今日は髪のブローがうまくいったからなのか、それともメイクが上手にできたからなのか、すこぶるご機嫌な様子だ。

(それにしても……やっぱ、いいオンナだな)


 あらためて見れば見るほど良いオンナである。こんな女性に遭遇したら、師匠のO氏などは即座に声をかけていることだろう。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:4792文字/本文:5676文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次